2回目の関税交渉「具体的に議論」、次回は5月中旬以降=赤沢経済再生相

 訪米中の赤沢亮正経済再生相は日本時間2日午前(米国時間1日午後)、米国との2回目の関税協議後に記者会見し、「両国間の貿易拡大、非関税措置、経済安全保障面の協力など具体的な議論を進めた」と語った。写真は都内で4月18日撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京/ワシントン 2日 ロイター] – 訪米中の赤沢亮正経済再生相は日本時間2日午前(米国時間1日午後)、米国との2回目の関税協議後に記者会見し、「両国間の貿易拡大、非関税措置、経済安全保障面の協力など具体的な議論を進めた」と語った。3日から事務レベルの協議を始め、5月中旬以降に次回の閣僚協議を開くとの見通しを示した。

赤沢再生相はベセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア米通商代表部(USTR)代表と約130分会談。赤沢氏は記者団に、「互いの関心事について突っ込んだ議論をした」と語った。

発動済みの自動車、今後発動する予定の自動車部品を含め、関税措置の見直しを求めたと説明し、日米両国とも「守るべき国益があり、事務方で詰める、積み上げることがある」とした。「集中的に議論する時期が5月中旬以降になると我々は思っている」と語った。

協議の報告を受けた石破茂首相は官邸で記者団の取材に応じ、一致点を見いだせる状況にはまだなってないとした上で、「国益を譲ってまで早く妥結すればいいものではない」と述べた もっと見る 。

伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、「交渉の出口までどのような紆余曲折があるのか、判断しかねる内容だった」とする一方、「参院選挙前、90日の範囲内ということで、月内の首脳会談が1つの落としどころとしては現実的」とみる。「車、農産物、エネルギーなど日本が米国から何をどこまで買うのかが最大の焦点だ」と話す。

<米中関係「引き続き注視」>

赤沢経済再生相によると、「為替や安全保障の議論はなかった」という。赤沢氏は「為替については財務大臣同士で協議することが決まっている」、「安全保障は理屈やものの考え方が関税・貿易関係の議論とは違う」と指摘した。

  トランプ大統領による「合意は近い」との発言についてはコメントを控えた。交渉の進ちょく度合いについても「交渉は全部合意して初めて合意が成り立つ」、「国益はしっかり守りながらゆっくり急ぐ」と述べるにとどめた。

互いに高い関税をかけ合う米中関係について議論はしなかったとする一方、「日中の貿易関係は濃いので、引き続き注視する」と述べた。

国内の自動車・農業関係者で「不安を感じている人たちがいることは十分認識している」とも指摘した。

(竹本能文 取材協力:梶本哲史)

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