イタリア、学校での性教育に親の承認義務化へ 法案提出

教室の壁に掛けられた十字架。イタリア・ビテルボで(2010年7月1日撮影、資料写真)。(c)TIZIANA FABI/AFP

【AFP=時事】イタリア政府は4月30日、性教育の授業に親の承認を義務付ける法案を提出した。性教育の授業は、カトリック教徒が多数を占める同国では必修ではない。

政府は閣議後の声明で法案について、「学校における性教育などに関して、家庭から事前の同意を確保するため」のものだと説明した。

カトリック教徒が多数を占めるイタリアでは、学校での性教育はおおむねタブーとされ、これまで、義務化する動きはほとんど支持を得てこなかった。

「セーブ・ザ・チルドレン・イタリア」の今年2月の調査報告によれば、学校で何らかの性教育を受けた10代生徒はわずか47%で、貧困層が多い南部やシチリア島、サルデーニャ島では37%にとどまっている。

パレルモに拠点を置く研究センター「Cesie」は3月、イタリアの学校で性教育を実施する動きは「構造的な障壁と政治的な抵抗によって妨げられている」と報告。

「極右運動」は性教育を「家族の価値観と国家のアイデンティティーへの脅威」と捉え、「性的な関係や性的同意、セクシュアリティーに関する教育を妨げることで、ジェンダーの固定観念を強化、家父長制を下支えし、ジェンダーに基づく暴力のまん延を招いている」と批判した。
【翻訳編集】AFPBB News

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