日本最大級の法律事務所の一つ、TMI総合法律事務所はオーストラリアの法律事務所Johnson Winter Slattery(JWS)と提携し、同事務所のシドニーオフィス内にシドニーデスクを設置して、アジア太平洋地域の法務サービス・ネットワークをオーストラリアに拡大しました。
長井真之氏
TMI総合法律事務所のパートナーであり、JWSに出向して現地に常駐する長井真之氏は、シドニーを現地デスクの設置拠点に選んだ理由として、他のオーストラリアの都市よりも多くの日本企業がシドニーに拠点を置いていることを挙げ、オーストラリアの法律問題について日本語でのサポートを求める日本企業をターゲットにしていると、Asia Business Law Journalに語りました。
「特定の分野に限定するつもりはありませんが、ジョイント・ベンチャーを含む企業のM&Aや規制調査が主な焦点になるだろうと考えています」と長井氏は話しました。同氏はニューサウスウェールズ州の弁護士資格を持ち、以前、TMI総合法律事務所からClayton Utzに5年間出向した経験があります。
また長井氏は、シドニーデスクは日本企業だけでなく、日本の法務サービスを必要とするオセアニア地域の企業を支援にも焦点を当てていくと語りました。長井氏は日本とニューヨーク州の弁護士資格も有しており、M&A、リスク管理、不正調査、カルテルから、国際訴訟・仲裁まで、幅広い分野での助言を行っています。
Jeremy Davis氏
シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード、キャンベラで事業を展開するJWSにとっては、TMI総合法律事務所との提携によりオーストラリアに投資する日本のクライアントの代理業務が増加し、日本で取引を行うクライアントの支援にもつながると、シドニー拠点のマネージング・パートナーのJeremy Davis氏はAsia Business Law Journalに語りました。
「オーストラリアへの投資と日豪間の二国間協力が大幅に増加しているのを目の当たりにしています。東京またはシドニーに支所を設置して業務に行うのではなく、提携することで、両市場における経験豊富な弁護士チームを日本のクライアントに提供することが可能になりました」とDavis氏は話します。
Davis氏は、JWSは、日本企業やファンドにとって重要な分野である外国投資(キャンベラチームが対応)、M&A、エネルギー・資源、防衛、テクノロジーにおいて、強力な実績を挙げていると語りました。
「日本のクライアントに対して、外国直接投資の認可、一般的なM&A、石油・ガス分野、エネルギー転換、テクノロジー分野での特定の案件について支援したいと考えています」とDavis氏。「また、日豪間での活発な活動に関心のある弁護士を募集したいとも考えています」と話しました。
WACOCA: People, Life, Style.