韓国の「ダイソー(DAISO)」は今、日韓のZ世代を中心に“コスメの新スポット”として注目を集めている。文具や生活用品、食品、雑貨など商品カテゴリーは日本と変わらないが、コスメは日本以上に盛り上がっているようだ。
高機能×低価格の本格的なコスメが買える新チャネル
アモーレパシフィックのメイエチュード」が手掛けているPBブランド「プレイ(play)101」
「トゥークールフォースクール」が監修しているPBブランドの「タグ(TAG)」
「ルナ」とコラボレーションしたPBブランド「トゥーエディット(twoedit)」
韓国「ダイソー」のビューティコーナーは、スキンケアやメイクアップ、ヘアケア、ツールに至るまで幅広いラインアップを擁する。注目は、人気ブランドと協業したプライベートブランド(以下、PB)などの企画品だ。
カラーコスメは、韓国の人気コスメブランド「エチュード(ETUDE)」や「トゥークールフォースクール(TOO COOL FOR SCHOOL)」、「ルナ(LUNA)」などとコラボレーション。高機能と低価格を両立したトレンドアイテムが安価で手に入るので、Z世代の“試してみたい”という購買意欲を掻き立てる。
スキンケア製品は「ミルクタッチ(MILK TOUCH)」や「アピュー(A’PIEU)」に加え、ダーマスキンケアブランド「メディピール(MEDIPEEL)」まで参画。認知度の高いブランドとタッグを組み、安心感を提供する。コスメの価格帯は3000〜5000ウォン(約300〜500円)と、いわゆる“100均”の枠を超えているが、有名ブランドと協業した本格的なスキンケア製品であることを踏まえると、妥当と感じるユーザーは多いはずだ。
火付け役は「VT」の“リードルショット”
では、なぜ「ダイソー」で化粧品が売れるようになったのか。火付け役は、韓国発のコスメブランド「VT」の人気美容液“リードルショット”を個包装にしたスティックパウチ(2mL×6本入り、3000ウォン=約300円)だ。
“リードルショット”はブランドを代表する美容液で、肌になじませるとチクっとする天然のマイクロニードル(シリカ)を配合している点が特徴。次に使用するスキンケアの浸透をサポートし、ハリのある美しい肌に導く。マイクロニードルの配合量別に50、100、300、700、1000の5種類展開している。
“リードルショット”はブランドを代表する美容液で、肌になじませるとチクっとする天然のマイクロニードル(シリカ)を配合している。これによりスキンケアの浸透をサポートし、ハリのある美しい肌に導く。「チクチクする」「痛いのに良い」などの口コミが広がり、日本でも爆発的な人気を得た。
「ブイティー」の“リードルショット”シリーズ
「VT」は韓国発のスキンケアブランドだが、“リードルショット”は毛穴悩みの多い日本人に向けて開発した製品として、日本で先行販売。その後、韓国の消費者から「韓国でも売ってほしい」と言うリクエストが殺到し、発売したという。
韓国「ダイソー」は、2023年9月に取り扱いを開始。一時期は1人3箱までの購入規制がかかるほどの人気ぶりだったが、現在は在庫が安定したため、どの店舗でも手に入るようになった。今では定番の“リードルショット”だけでなく、コラーゲンやグルタチオンを配合した新タイプも販売している。
「VT」のPR担当は、「“リードルショット”は、使って初めて良さを知ってもらえる製品だ。気軽に手に取ってもらえるチャネルはどこか調査したところ、若者が集まり、購入のハードルが低い価格帯の商品をそろえている『ダイソー』だった。気に入ってオンラインストアや『オリーブヤング』で本品を買うというお客さまも多く、ブランドの認知度アップ&新規顧客の獲得につながった」と手応えを語る。
韓国「ダイソー」はこの成功をきっかけに、ビューティカテゴリーのポテンシャルを認識。コスメコーナーの拡大や、新たな韓国ブランドとのコラボなどを加速させている。
一方、日本「ダイソー」は?
PR TIMESより
では、日本の「ダイソー」はどうだろうか。韓国「ダイソー」が有名ブランドとのコラボやトライアルサイズ導入、特別な什器の設置などで急成長しているのに対し、日本の「ダイソー」は依然として“100円均一”の枠内に留まっている印象がある。
そもそも運営母体は日韓で異なり、日本は大創産業が、韓国はアソンダイソーが運営している。韓国「ダイソー」は⼤創産業との合弁事業としてスタートしたが、2023年12月に独立。こうした背景から、同じ「ダイソー」でありながらも取り扱う商品やマーケティング戦略に大きな違いが見られる。
とはいえ、日本の「ダイソー」のコスメも若者から大人世代まで広く親しまれており、昨今はトレンドを意識したアイテムを積極的に販売している。主力の「ユーアーグラム(UR GLAM)」、韓国風コスメ「コーウ(COOU)」などのPBに加え、3月1日には東京ガールズコレクションとコラボした「キュンミー(KYUMME)」も誕生した。
特に「ユーアーグラム」のメイクブラシは、安定した人気を誇る。アイシャドウ、チーク、フェイスブラシなどの豊富なラインアップを用意しているが、どれも「毛質が良い」「仕上がりがきれい」と高評価なコメントが多い。
一方、カラーコスメについては「アイシャドウは粉質があまり良くない」「ティントは発色が強い」といった投稿がSNSで見受けられ、まだまだクオリティー面で改善の余地がありそうだ。
こうしたニーズを受け、日本の「ダイソー」も300、500、700円といった価格の製品を徐々に増やし、クオリティーをあげている。品質次第では100円以上でも“アリ”になっており、カギを握るのは価格以上の納得感だと推測する。
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