中国外務省のアドバイザーを務める復旦大学米国研究センターの呉心伯主任は25日、トランプ米大統領による関税を巡る米中の対立について、米国が中国の出方を「見誤った」と述べた。

  呉氏は中国・上海でのパネルディスカッションで、「トランプ氏のチームの主流派は、米国側が関税のカードを切れば、経済状況の悪い中国は従わざるを得ないとみている」との見方を示し、「だが、驚くべきことに中国は崩壊も降伏もしていない。米国は状況を見誤っており、中国との対立に対する準備も十分ではない」と指摘した。

 中国共産党の最高指導部は25日、国外要因のショックが強まると想定し「緊急対策を完全に準備」する方針を示した

Source: Bloomberg

  世界経済と金融市場の命運は、米国と中国が貿易戦争の長期化を回避する方法を見つけられるかどうかに大きくかかっている。トランプ氏は、ほとんどの中国製品に145%の関税を課し、中国政府も報復措置を取った。世界1、2位の経済大国間の貿易の大半が消滅の危機にある。

  この貿易戦争は、中国政府が長引くデフレ、数年にわたる不動産暴落、弱い個人消費と格闘している最中に発生した。1-3月期(第1四半期)は中国の成長率の40%近くを輸出が占め、中国経済のけん引役としての重要性が浮き彫りになった。

  トランプ氏は中国に関税をかけてから、何度も習近平国家主席と電話で話そうとしている。今週は、両国の協議が行われていると主張したが、どのレベルかは明言しなかった。中国側は貿易交渉が進行中であることを否定しており、外務省の郭嘉昆報道官は25日、米国は「国民を欺くべきでない」と述べた。

  ブルームバーグが4月半ば、中国政府関係者の話として、中国は、交渉の前にトランプ政権側が「敬意を示す」よう求めていると報じた。中国は米国に対し、会談の担当者を指名し、米国の対中制裁や台湾をめぐる中国の懸念に対処する意思を示すことも望んでいる。

  ニューヨークを拠点とする調査会社ガベカル・ドラゴノミクスのパートナー、アーサー・クルーバー氏は、関税がインフレに与える影響により、トランプ氏は引き下がるよう圧力を受けることになるとの見通しを示した。同氏は「米国は、中国との交渉に応じざるを得ないと理解するだろう。それがどの程度の時間がかかり、どのような形をとるのかが問題だ」と述べた。

  中国共産党の中央政治局は25日、「外的ショックの高まり」により、「緊急対策を完全に準備」する方針を示した。ただ、政権幹部は即時の経済刺激策は示唆しなかった。第1四半期のけ経済成長率が予想を上回っていたため、中国政府は新たな措置を検討する時間的余裕を得たとみられる。

  呉氏は、米中がすぐに合意に達するという楽観的な考えは禁物だと警告し、双方が話し合いに応じるまでには数カ月、通商合意に至るまでには数年かかるだろうとの見通しを示した。

  同氏は「時間は中国側にある。闘うか闘わないかは、米国次第だ」と述べた。

 

原題:Trump ‘Misjudged’ China on Trade War, Diplomatic Adviser Says(抜粋)

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