トランプ米大統領がクリーンエネルギーへの移行に待ったをかけたことで、ヘッジファンドはホワイトハウスの「反グリーン政策」に耐え得る低炭素投資から利益を上げる方法を探っている。

  ファンドマネジャーらによれば、好ましい投資先はおおむね米国外にある。電力会社や送電網関連機器のサプライヤーのほか、一部のヘッジファンドは欧州で「グリーン資産」と見なされている天然ガスに目を向けている。

   トランプ氏が仕掛けた関税戦争で、金融市場は動揺。ホワイトハウスが次々と発表する通商措置は投資家を翻弄し、市場の不透明感を一層強めている。

  グリーン資産は「トランプ関税」の影響を特に強く受ける。中国や東南アジアからの輸入に対する関税や調査は、バッテリーや変圧器、希土類(レアアース)を含むあらゆる産品のコストを押し上げる見通しだ。

Funds Pile Into Cheaper European Utility Shares

 

 

  インタビューに応じたファンドマネジャーらは、米国の市場を全面的に回避する戦略を採用しているわけではないとしながらも、大半が今は欧州やアジアにより良い投資機会を見いだしていると語った。

  コネティカット州グリニッチを本拠とするヘッジファンド、トール・ツリーズ・キャピタル・マネジメントの創業者で最高投資責任者(CIO)のリサ・オーデット氏は、欧州において投資機会の「萌芽(ほうが)」が形になりつつあるとみているという。

日本とインド、中国

  ロンドンのヘッジファンド、クリーン・エナジー・トランジション(運用資産27億ドル=約3900億円)のパー・レカンダー最高経営責任者(CEO)は、ドイツのエーオンやRWE、英SSEをロング(買い持ち)としていると明かし、その理由を「これらの企業は完全に国内市場に根差しており、非常に割安だ」と説明した。  

  欧州最大級の送電網運営会社であるエーオンの株価は年初来で約35%上昇している。

   シドニーに本社を置くヘッジファンド、ミノトール・キャピタルの共同創業者アーミナ・ローゼンバーグ氏は、「相場下落を機に一部の『脱炭素』関連株を買い始めた」と話した。

  具体的な投資先としては、米国のファースト・ソーラーやネクステラ・エナジーなど。これらの企業はサプライチェーンがしっかりしており、関税の影響を受けにくく「むしろ恩恵を受ける可能性すらある」と指摘した。

  ローゼンバーグ氏は、今後1-3年で見通しが改善されると想定。最終的には「イノベーションの必要性が資本投資を促す」との見通しを示した。

  一部のグリーン投資家は関税の報復合戦を受け、現金比率を当初高めたが、再び投資へと動き出している。

  BNPパリバが運用する環境ソリューションファンドをマネジャー、エドワード・リーズ氏は、最近の相場下落を捉え日本の水管理会社やインドの電力インフラ企業の株式を買ったという。

  トランプ氏が関税で狙い撃ちしている中国も、引き続きグリーン投資家の注目を集めている。 電気自動車(EV)バッテリーで世界をリードする寧徳時代新能源科技(CATL)やEVメーカーの比亜迪(BYD)が人気だ。

  BYDの株価は今年これまでに約50%上昇。約40%値下がりした米テスラとは対照的だ。ローゼンバーグ氏はBYDにミノトールが投資しているのは、「中国のEVがテスラから市場シェアを奪っている」と分析しているためだと述べた。

 

原題:Hedge Funds Are Finding Ways to Navigate Trump’s Energy Agenda(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.