米国株式市場=まちまち、ダウ527ドル安 関税協議や金利見通しが焦点

 4月17日、米国株式市場は主要3指数がまちまちとなった。2021年1月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

[17日 ロイター] – 米国株式市場は主要3指数がまちまちとなった。関税を巡る日本との協議について、トランプ米大統領が「大きな進展」があったと述べたことを受け、前日の大幅安から楽観に傾いたが、金利見通しへの懸念が重しとなった。

トランプ氏は16日、日本の閣僚らとの会談後、自身が運営する交流サイト(SNS)に「貿易に関する日本の代表団に会えて光栄だ。大きな進展だ!」と投稿した。 もっと見る 17日にはホワイトハウスで記者団に対し、中国と貿易を巡り「非常に良いディールをすることになるだろう」と語った。ただ、具体的な内容や、緊張が高まっている両国がどのように交渉を開始するかといった詳細については言及しなかった。 もっと見る S&P総合500種(.SPX), opens new tabは取引終盤に上げ幅を縮小。ナスダック総合(.IXIC), opens new tabはマイナスに転じ、グッドフライデーの祝日で3連休となる週末を控え、ポジションを持ち越すことに慎重なトレーダーの姿勢を示唆した。ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabも下落して終了した。イーライ・リリー(LLY.N), opens new tabとアップル(AAPL.O), opens new tabは上昇し、市場を下支えした。

イーライ・リリーは14%急伸。糖尿病患者を対象とした臨床試験で、同社が開発した経口薬が大ヒット薬の「オゼンピック」と同様に体重や血糖値を低減させる効果を示したと発表した。

アップル(AAPL.O), opens new tabは1.4%上昇。このところの下げの一部を回復した。一方、医療保険大手ユナイテッドヘルス(UNH.N), opens new tabは22%急落し、ダウを押し下げた。医療費が年内高止まりするとの見方から通年の利益見通しを下方修正した。同業も売られ、CVSヘルス(CVS.N), opens new tabは約2%安、ヒューマナ(HUM.N), opens new tabは7.4%下落した。アルファベット(GOOGL.O), opens new tabは1.4%下落。傘下グーグルのオンライン広告技術が反トラスト法(独占禁止法)に違反していると米司法省などが提訴していた問題で、連邦地裁が17日、グーグルの3つのサービスのうち2つに不当な独占があったと認定した。 もっと見る S&P主要11セクターでは8セクターが上昇。エネルギー(.SPNY), opens new tabが2.3%高、主要消費財(.SPLRCS), opens new tabが2.2%高と上げを主導した。トランプ氏は17日、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長に対する不満をあらわにし、利下げを行わないことで「政治的な駆け引きをしている」と非難した。 もっと見る パウエル議長は16日、トランプ氏の貿易政策によってインフレが押し上げられる一方で、経済成長と雇用が弱まるリスクがあると警告。これを受け、同日の米株市場は下落した。 もっと見る

タングルウッド・トータル・ウェルス・マネジメントのマクロ投資ストラテジスト、トム・ブルース氏は「トランプ氏がパウエル氏に不満を抱いていることは周知の事実だ。問題は彼がそれについて何かしようとするかどうかだ」と指摘。パウエル氏を解任すれば米市場の信頼を損なうことになるとの見方を示した。

CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む5月の利下げ確率は6%程度まで低下している。また、ロイター調査によると、エコノミストは今後1年以内に米国がリセッション(景気後退)に陥る可能性が高まったとみている。

米取引所の合算出来高は146億株。直近20営業日の平均は192億株。

S&P500では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.3対1の比率で上回った。(.AD.SPX), opens new tab

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場

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San Francisco correspondent covering the stock market with a focus on Big Tech, semiconductors and other Silicon Valley companies

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