米小売売上高、3月1.4%増 自動車関税引き上げ前に駆け込み需要

米商務省が16日発表した3月の小売売上高(季節調整済み)は前月比1.4%増となった。ニューヨーク市内のスーパーマーケットで2022年撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly/File Photo)

[ワシントン 16日 ロイター] – 米商務省が16日発表した3月の小売売上高(季節調整済み)は前月比1.4%増となった。自動車を中心に関税引き上げ前の駆け込み需要が寄与し、2023年1月以来の大幅な伸びとなった。ただ不確実性が高まる中で消費が抑制され、小売売上高は近く失速する可能性がある。

前月は0.2%増で改定されなかった。ロイター調査によるエコノミスト予想は1.3%増だった。3月は前年比では4.6%増加した。

コアの小売売上高(自動車、ガソリン、建築資材、食品サービス除く)は前月比0.4%増。2月は1.3%増と前回発表の1.0%増から上方修正された。エコノミスト予想は0.6%増だった。

INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「第1・四半期はマイナス成長を回避できる可能性が高いが、経済成長率はかろうじてゼロ%を上回る程度にとどまると予想している。消費者信頼感が圧力にさらされているときに関税の影響が実感されるようになるため、第2・四半期に大きな反発は望めない」と述べた。

<自動車5.3%増、トランプ関税で駆け込み需要>

3月は自動車メーカー各社が販売台数が大幅に増加したと報告。トランプ政権が掲げる関税措置を回避するための駆け込み需要で押し上げられたとみられる。他の多くのモノ(財)も関税措置の対象になるため、消費者の間で「買いだめ」の動きが加速した。

業種別では、自動車・部品が5.3%増。前月は1.6%減少していた。建材・園芸用品は3.3%増、スポーツ用品・趣味用品・楽器・書籍は2.4%増。

サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は1.8%増。前月は0.8%減少していた。

サンタンデール・US・キャピタル・マーケッツの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は「消費者信頼感が急落しているにもかかわらず飲食店での消費は堅調だった。トランプ大統領が4月2日に大規模関税措置を発表するまでは、家計に消費意欲があった」と述べた。

衣料品は0.4%、電子機器は0.8%、オンライン販売は0.1%、それぞれ増加。家具は0.7%減少した。

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