インド政府が15日発表した3月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は3.34%となり、2019年8月(3.61%)以来、5年7カ月ぶりの低水準となった。写真はアーメダバードの市場で2023年に撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)
[ニューデリー 15日 ロイター] – インド政府が15日発表した3月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は3.34%となり、2019年8月(3.61%)以来、5年7カ月ぶりの低水準となった。エコノミストらの市場予想の3.60%より低かった。食品価格のインフレ率が2.69%と、21年11月以来3年4カ月ぶりの低水準となり、今年2月の3.75%から鈍化したことが全体を押し下げた。
トランプ米大統領が中国からの輸入品への関税を大幅に引き上げ、中国も米国からの輸入品に報復関税を課す貿易戦争が世界経済に打撃を与えかねないとの見方が強まっている。その中でインドのインフレ率が鈍化したことで、インド準備銀行(中央銀行)が今後利下げする余地が広がった。
The line chart shows India’s retail and food inflation for March 2025 which was 3.34% and 2.69% respectively.
インド政府が15日発表した3月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は3.34%となり、2019年8月(3.61%)以来、5年7カ月ぶりの低水準となった。エコノミストらの市場予想の3.60%より低かった。食品価格のインフレ率が2.69%と、21年11月以来3年4カ月ぶりの低水準となり、今年2月の3.75%から鈍化したことが全体を押し下げた。
トランプ米大統領が中国からの輸入品への関税を大幅に引き上げ、中国も米国からの輸入品に報復関税を課す貿易戦争が世界経済に打撃を与えかねないとの見方が強まっている。その中でインドのインフレ率が鈍化したことで、インド準備銀行(中央銀行)が今後利下げする余地が広がった。
The heat map shows the inflation of various components of India’s retail inflation coloured based on the the central bank’s inflation target range of 2% to 6%.
一方で中銀は、世界経済の不確実性が長期化することと、インドでの悪天候による商品の供給障害がインフレ率を上振れさせるリスクがあると警告した。中銀は25/26年度のCPIの前年度比上昇率について、モンスーンが平年並みになった場合には4%になると予測している。
IDFCファースト銀行のエコノミスト、ガウラ・セン・グプタ氏は「国内要因だけ見ても、年内に最低でもあと2回の利下げ余地があるとみている」とし、「世界経済の成長がさらに鈍化すれば、3回目の利下げの可能性も排除できない」との見解を示した。
中銀は6月に次回MPCを予定している。米国の貿易相手国に対する「相互関税」の国・地域ごとに設定した上乗せ部分の90日間停止は、7月に期限切れとなる。
インドでは25年のモンスーンによる降雨が平年を上回り、農作物の収穫量が増加し、経済成長を押し上げるとの期待感が高まっている。
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