トランプ米政権、石炭発電所47カ所を環境規制から免除

トランプ米政権が、石炭火力発電所47カ所を2年間にわたって大気汚染有害物質の排出規制の適用対象外としたことが15日に分かった。写真はオハイオ州の石炭火力発電所で2017年撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 15日 ロイター] – トランプ米政権が、石炭火力発電所47カ所を2年間にわたって大気汚染有害物質の排出規制の適用対象外としたことが分かった。米環境保護局(EPA)が15日公表した企業リストで明らかになった。

排出を規制する水銀・大気有害物質基準(MATS)はバイデン前政権下で導入された。共和党が多数を占める州や業界団体が適用停止を求めて提訴したが、昨年10月に最高裁判所が却下したため、適用が続いていた。

米肺協会によると、水銀は神経系疾患を引き起こす有毒物質で、重度の発育障害を引き起こす可能性がある。石炭燃焼で発生する大気有害物質は、ぜんそく発作、脳卒中、心臓発作および肺がんリスクを高める要因となる。

一方、適用除外を支持する人々は、同規制が石炭火力発電所や米石炭部門の存続に深刻な影響を及ぼしていると指摘。共和党のトロイ・ダウニング下院議員(モンタナ州選出)は、州内の火力発電所が対象リストに含まれたことを称賛し、「今後の稼働に明確さと確実性をもたらす」と歓迎した。

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Valerie Volcovici covers U.S. climate and energy policy from Washington, DC. She is focused on climate and environmental regulations at federal agencies and in Congress and how the energy transition is transforming the United States. Other areas of coverage include her award-winning reporting plastic pollution and the ins and outs of global climate diplomacy and United Nations climate negotiations.

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