中国の海南省で行われたツアー・オブ・ハイナンで、3日目を制したキリロ・ツァレンコ(ウクライナ、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が総合優勝。小山智也は最終日にパンクで無念のリタイアとなった。
XDSアスタナが唯一のワールドチームとして出場したツアー・オブ・ハイナン photo:Tour of Hainan
4月7日から11日までの5日間、中国の最南部である海南省で行われたのがツアー・オブ・ハイナンだ。2006年に初開催され、2009年にプロツアー(UCIレースカテゴリーの上から2番目)に昇格した大会は平坦コースが大半のステージレース。一昨年は10月、昨年は8月、今年は4月とここ数年は開催時期が変動している。

緯度が日本の最南端である沖ノ鳥島とほぼ同じのため、この時期でも気温は30度近くまで上がるレースには、唯一のワールドチームとしてXDSアスタナが出場。またブルゴス・ブルペレットBHも参戦し、宇都宮清原クリテリウムにオープン参加するなど日本で調整を進めていた小山智也も出場した。

初日スプリントを制したマッテオ・マルチェッリ(イタリア、XDSアスタナ) photo:Tour of Hainan
瓊海(けいかい)市を舞台とした大会初日は集団スプリントで決着し、XDSアスタナのリードアウトから踏み込んだマッテオ・マルチェッリ(イタリア)が勝利。昨年はJCLチーム右京で勝利を量産したイタリアンスプリンターが初日に結果を残した。

2日目もスプリントに持ち込まれ、XDSアスタナがトレインを組み最終ストレートに入る。しかし勝ったのはドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)。新城幸也と共にバーレーン・ヴィクトリアスからソリューションテックに移籍した27歳が、今季3勝目を挙げた。

2日目をドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が制す photo:Tour of Hainan登りアタックを成功させたキリロ・ツァレンコ(ウクライナ、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Tour of Hainan

4日目を制したアーロン・ゲイト(ニュージーランド、XDSアスタナ) photo:Tour of Hainan
大会3日目はコース前半に難易度の低い山岳を越え、終盤に1級山岳(距離6.7km/平均6%)が登場する最難関ステージ。その1級山岳の登りでキリロ・ツァレンコ(ウクライナ、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が仕掛け、クリスティアン・ライレアーヌ(ルーマニア、リーニン・スター)が追従。勝負はこの2名によるスプリントに持ち込まれ、ツァレンコがプロチームの意地を見せて勝利した。

4日目もアーロン・ゲイト(ニュージーランド、XDSアスタナ)とピョートル・リクノヴ(ロシア、チェンドゥ・ディーワイシー)の2名が抜け出し、昨年区間2勝で総合優勝に輝いたゲイトが勝利を挙げる。大会最終日は再び集団スプリントで決着し、XDSアスタナやプロチームを退け、中国のプロチームであるリーニン・スター所属アレクサンダー・サルビー(デンマーク)が勝った。

総合優勝に輝いたキリロ・ツァレンコ(ウクライナ、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Tour of Hainan
総合優勝には3日目勝者のツァレンコが最後までリーダージャージを守り切った。小山は最終日にパンクの不運に見舞われてリタイア。しかし2年ぶりのブエルタ・ア・エスパーニャ出場を決めたばかりのブルゴスは、チーム総合優勝に輝いている。

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