[ワシントン 13日 ロイター] – トランプ米大統領は13日、欧州連合(EU)が米国産ウイスキーへの課税措置を撤廃しなければ、EUから輸出されるワインやシャンパンなど全てのアルコール製品に200%の関税を課すと表明した。
トランプ大統領はソーシャルメディアに「全世界がわれわれを搾取している」と投稿。EUは世界で最も敵対的かつ搾取的な関税当局で、米国を利用することのみを目的としていると批判した。
トランプ大統領の発言を受け、米株式市場では主要株価指数が軒並み下落した。
EUの執行機関である欧州委員会は12日、鉄鋼とアルミニウムを巡る米国の関税に対抗し、4月から260億ユーロ(283億1000万ドル)相当の米国製品に関税を課すと表明。同措置はバーボンウイスキーなど米製蒸留酒にも影響を与える。 もっと見る
ただ、欧州委は交渉の余地を残しており、関税引き上げは誰の利益にもならないと考えていると述べた。
トランプ大統領の関税に対抗し、カナダもこれまでに米国産のビール、ワイン、バーボンなどに報復関税を課す方針を表明しており、アルコール製品が貿易戦争での主要品目になりつつある。
ラトニック米商務長官はFOXニュースに対し、カナダのルブラン財務相およびフォード・オンタリオ州首相と13日に会談し、関税について協議すると明らかにした。

トランプ米大統領は13日、欧州連合(EU)が米国産ウイスキーへの課税措置を撤廃しなければ、欧州から輸出されるワインなど全てのアルコール製品に200%の関税を賦課する方針を示した。写真は2023年11月、パリのレストランで撮影(2025年 ロイター/Sarah Meyssonnier)
米国はカナダから何らかの譲歩を求めるだろうとし、「カナダは米国経済に依存して存在していることを忘れてはならない」と述べた。
フォード氏はラトニック氏との会談後、ワシントンで記者団に対し「非常に生産的な会談だった。緊張が緩和されつつあると感じている。来週さらなる協議を行うことで合意した」と語った。
EUが提案した260億ユーロ相当の対抗措置の多くは、デンタルフロスやバスローブなど象徴的な意味合い以外にはほとんど価値がない製品に適用される。
しかし、米国産バーボンへの50%の関税は、トランプ氏が1期目に課した関税が撤廃されて以降、輸出を着実に伸ばしてきた業界にとって大きな打撃となるだろう。
欧米の業界関係者は双方に緊張緩和を求めている。
業界団体スピリッツヨーロッパは「この報復の連鎖は今すぐ終わらせなければならない」と訴えた。
トランプ氏は、アルコール関税が国内生産者を支援するとの考えを示したが、米国の輸入業者や流通業者は売り上げ減少や解雇、事業の閉鎖につながると指摘する。
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