米大使館、取引先にDEI禁止順守を指示 スペインなど反発

 3月31日、トランプ米政権は世界各地の米国大使館および領事館の取引先や米助成金の受領者に対し、政権のDEI(多様性、公平性、包摂性)政策禁止に従うよう指示した。写真は大統領令のサイン、7日撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)

[マドリード/ワシントン 31日 ロイター] – トランプ米政権は世界各地の米国大使館および領事館の取引先や米助成金の受領者に対し、政権のDEI(多様性、公平性、包摂性)政策禁止に従うよう指示した。

米在外公館の取引先は「連邦反差別法の順守に関する証明書」と題する質問書で、DEI禁止の順守を確認するよう指示された。ロイターが質問状の写しを確認した。

スペイン政府当局者によると、必要な情報の提出と順守確認を行わなければ支払いを凍結すると警告する書簡も別途、企業側に送られたという。

これはトランプ大統領が米政府機関にDEI政策を廃止し、民間企業に対しても同様の措置を取るよう指示した1月の大統領令を、米国外にも広げようとしていることを示している。

世界中の全ての米在外公館に送られた2月11日付の公電をロイターが確認したところ、現在契約を結んでいる業者や審査中の案件がある業者から、トランプ政権のDEI政策禁止を順守しているという証明書を取得するよう指示している。大統領令に従わない「イニシアティブやプログラム」に米国の資金を使用しないことも証明しなければならない。

スペイン当局者によると、米国から指示を受け取った企業は多岐にわたり、大使館職員の自宅に水道やガス、電気を供給する業者や大使館が購読する新聞、ケータリング業者なども含まれるという。

スペイン労働省は米国の指示について、スペインの厳格な反差別法や多様性法に対する「明白な違反」で、企業が順守しようとすればスペイン労働監督当局の調査に直面することになるとした。

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