欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)の下部組織である欧州医薬品評価委員会(CHMP)は28日、米製薬大手イーライ・リリーのアルツハイマー病治療薬「ケサンラ」の承認を見送った。写真は2020年9月、米カリフォルニア州サンディエゴで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
[28日 ロイター] – 欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)の下部組織である欧州医薬品評価委員会(CHMP)は28日、米製薬大手イーライ・リリー(LLY.N), opens new tabのアルツハイマー病治療薬「ケサンラ」の承認を見送った。認知機能の低下を遅らせる効果が、患者の深刻な脳腫脹のリスクを上回るほど大きくないことを理由に挙げた。
イーライ・リリーはCHMPに再審査を求める計画。
欧州委員会がCHMPの承認却下推奨を受理すれば、エーザイ(4523.T), opens new tabと米医薬品大手バイオジェン(BIIB.O), opens new tabが開発した競合薬「レケンビ」は、EUで初めて承認されるアルツハイマー病薬になるための競争面で優位に立ちそうだ。
CHMPは2月、安全性データの再評価終了後、レケンビについて改めて推奨する意向を示している。
欧州脳評議会によると、欧州のアルツハイマー病患者は約700万人に上る。
アルツハイマー病患者の非営利団体アルツハイマー・ヨーロッパは「米国、英国、中国、日本の規制当局が同じ科学的根拠に基づいて承認している医薬品についてCHMPが否定的な見解を示したことは理解し難い」との声明を発表した。
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