スペイン格付け見通し「ポジティブ」に引き上げ=フィッチ

 格付け会社フィッチは11月8日、スペインの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。5日、ロンダの商店街で撮影(2024年 ロイター/Jon Nazca)

[8日 ロイター] – 格付け会社フィッチは8日、スペインの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。構造的な改善が同国経済の潜在成長力を押し上げ、外部ショックへの耐性を引き上げる可能性が高いとした。格付けは「A-」に据え置いた。

フィッチは「移民の純増と積極的な改革、競争力の向上、マクロ金融の不均衡がないことが後押しする労働市場の明るさが、スペインが当面は他のユーロ圏諸国をアウトパフォームし続けるという当社の評価を裏付けている」と説明した。

スペイン経済は、観光業を中心としたサービス業と製造業の活況に支えられ、ユーロ圏の中でも好調ぶりが目立っている。

第3・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.8%増で予想を上回り、前年比では3.4%増と他の欧州諸国を上回った。

フィッチは2024年のスペインの実質成長率を2.9%、25年と26年の平均成長率を2.2%と予想した。

しかし国内政治では、少数与党のサンチェス政権の政策実施リスクが高まり、課題は残っている。サンチェス政権は、税制改革による中期財政目標達成を目指しているが、歳出圧力に直面するとフィッチは指摘する。

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