ドイツのルフトハンザ航空など欧州航空大手の最高経営責任者(CEO)が27日、欧州連合(EU)が義務付けた温室効果ガス対策を批判する声明を発表した。ベルギーのブリュッセルで開催された航空業界のサミットで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 27日 ロイター] – ドイツのルフトハンザ航空(LHAG.DE), opens new tabなど欧州航空大手の最高経営責任者(CEO)が27日、欧州連合(EU)が義務付けた温室効果ガス対策を批判する声明を発表した。欧州の大手航空会社を代表する業界団体エアラインズ・フォー・ヨーロッパ(A4E)の同日のイベントでもCEOらが改めてEUに見直しを求めた。
批判の対象となったのは二酸化炭素(CO2)排出量を従来燃料より大幅に削減した代替燃料である「持続可能な航空燃料(SAF)」の扱い。EUは2030年までに航空燃料の6%をSAFにするよう求めているが、CEOらは高コストと供給不足を挙げて達成不可能と表明した。
声明に賛同したのは、ライアンエア(RYA.I), opens new tabのほか、ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)(ICAG.L), opens new tab、ルフトハンザ航空、エールフランスKLM(AIRF.PA), opens new tabのCEOら。
前日に協議の場を持って声明をまとめていた。27日のイベントには欧州委員会のアポストロス・ツィツィコスタス委員(持続可能な運輸・観光担当)も参加したが、発言ではCEOらの声明や発言に対し直接触れなかった。
CEOらは、欧州の航空業界がEU規制のため世界の競合他社に遅れを取るリスクがあると指摘。欧州委員会に対し、SAFプラント建設への財政支援の拡充を引き続き求めた。
また、トランプ米大統領が化石燃料推進派という立場を踏まえ、EUの規制当局はグローバルな持続可能性の議論をより強く意識する必要があると指摘した。
IAGのルイス・ガジェゴCEOは「競争力のある価格でSAFを確保するため、EUが直ちに航空業界向け戦略を構築する必要がある。今、行動に移さないなら、30年までのSAF(の燃料含有率)義務化目標を後ろ倒しにするしか現実的な解決策はない」と述べた。
国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務局長もイベントに飛び入り参加した。ロイターの取材に対し、CEOらの声明に賛同する考えを示し、「この目標が実現可能で有意義だと見せかけることはできない。そもそも達成できるはずもなかった」と話した。
SAFのコストは従来のジェット燃料の3―5倍。世界のジェット燃料供給量のわずか0.3%にとどまる。欧州の航空会社は今年、燃料の2%をSAFにする予定だが、EUが30年までの達成を義務付けた割合は6%と高い。
CEOらの見解表明に対し欧州委員会は「現在のSAF達成目標は現実的で実現可能だと考えている」との声明を出し、CEOらの見解は事実上無視される形となった。
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