嫁阪翔太が帰ってきた。

 

それも成熟した大人の“ヨメ”にアップグレードして。

再び岩手の地で、グルージャの一員としてともに戦う。

 

丁寧な受け答え、落ち着きのある表情や立ち居振る舞い。

かつて在籍してきた際に、番記者として都度接してきた私が知る男とは明らかに違う。

大げさではない。その変化には感動を覚えるほどだ。

 

深夜、当時チームメートだった小谷光毅(現鎌倉インテル)の部屋のベランダに忍び込み、窓から幽霊のように脅かして小谷を恐怖のどん底に突き落としたときのヨメはもうそこにはいない。

 

2021年、J2昇格を決めたものの、翌年はグルージャでプレーできないことが決まったあとのいわスタBピッチ。誰もいないベンチに座り、ともに本音で話し合ったときの悲壮感は私の脳裏から離れないが、おそらく今はそういったときのメンタルさえもコントロールする術を持っているのではないだろうか。

 

本当にたくましくなって帰ってきてくれた。

そんな彼はなぜカテゴリーを下げてまで、グルージャへの移籍を決断したのか。

そして加入即先発となった横河武蔵野戦をどう振り返るのか。

 

いわてグルージャ盛岡に帰還したサポーターの“アイドル”に心境を聞いた。

 

 

 

 

-おかえりなさい。このグラウンド(つなぎ多目的運動場)はとても懐かしい場所ですね。

「いや、本当に懐かしいです!この風景とか!」

 

-まずはこのタイミングでの移籍の経緯について聞きたいのですが、いつ、どういったオファーがあって、どういう気持ちだったのですか?

「J3の開幕戦が終わったころに最初に声をかけていただいて、その時点では確定的なオファーではなかったんですけど、そこから話を進めていって移籍が発表となる1、2週間前に正式なオファーをいただきました。

奈良クラブで試合にも出られていましたし、他の人からすれば『どういう理由なんだろう?』と不思議に

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