長きにわたり、いわてグルージャ盛岡の顔、そして魂としてゴールマウスに立ち続けた土井康平は2021シーズンを最後に、ユニフォームを脱ぐ決断をした。そこから3年間は、クラブスタッフとしてチームを支え、この春、新たなチャレンジを自らに課した。それは育成年代の指導者、そして教育者への転身。4月から正式に盛岡誠桜高校の教員、そしてサッカー部のGKコーチとなる“土井ちゃん”に引退後から現在に至る経緯、そして思いを聞いた。
―引退したのは2021シーズン。J3で優勝して、来季はJ2で戦うという時期でした。改めて今、その決断を振り返ってどうですか?
「個人的にプレーヤーとしてやり切ったっていう思いがありました。それから、次の年がJ2に昇格するということもあって、大志(野澤大志ブランドン)という若いGKも来てくれましたし、循環(世代交代)にはいいタイミングだという思いもありました。グルージャがもう一つ次へ行くには、新しい人間にわたすというかつなげるというか、そういうことが必要だと思いますし、そういう人材が入ってきてくれることも大事だと思っていました。なので、引退の決断については自分としては良かったなという思いですし、これ以上ないベストなタイミングだったというのは今でも変わっていませんね」
―引退後、すぐにクラブのフロントに入ることとなりました。会見で、「将来はクラブの社長になって…」という言葉もありました。あの言葉は本気の言葉だったと個人的には思っています。実際にクラブスタッフとして働く中で、思い描いていたものとのギャップを感じたり、迷いを感じたりはありませんでしたか?
「長年グルージャにいて、最初のころは選手とフロントとの距離も近かったですし、
(残り 3512文字/全文: 4235文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
WACOCA: People, Life, Style.