ツール・ド・台湾3日目の山岳コースで20名が逃げ切り。ドリュー・モレ(オーストラリア、キナンレーシングチーム)のロングスパートは届かず、小集団スプリントで決着している。
台湾王者フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)は注目の的 photo:Tour de Taiwan
チームミーティングを行う新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Tour de Taiwanスタートを待つ新城雄大とドリュー・モレ(キナンレーシングチーム) photo:Tour de Taiwan

台湾を駆け巡るツール・ド・台湾の第3ステージは、83km地点の1級山岳と135km地点の2級山岳をクリアし、フィニッシュに向かう154.3kmコース。台湾王者フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)のホームコースを走るこの日、中盤の山岳区間で激しいアタック合戦が繰り広げられた。

この日は序盤のアタック合戦が長期化し、決定的な逃げが生まれないまま1つ目の中間スプリントポイントを通過し、70km地点に設けられた2回目の中間スプリントに向けて再び活性化。3位通過まで与えられるボーナスタイムを狙った昨年総合2位の小石祐馬(JCLチーム右京)がスプリントで2位通過を果たしている。

台湾の旗が振られる中、3日目がスタート photo:Tour de Taiwan
ボーナスタイムを獲得した小石祐馬(JCLチーム右京)だが、山岳で遅れてしまう photo:Tour de Taiwan
勢いそのままに突入した1級山岳ではハイペースによって20名程度まで絞り込まれ、エウスカルテル・エウスカディらがテンポを維持したことで追走グループを大きく引き離す。キナン新加入のレイン・タラマエ(エストニア)や総合首位モーリッツ・クレッチュ(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)がこの集団に入った一方、小石をはじめ、日本人選手は後方集団に取り残されてしまった。

キナン3名(タラマエ、ドリュー・モレ、トマ・ルバ)とシモーネ・ラッカーニ(イタリア、JCLチーム右京)が後続グループを2分以上引き離して最終盤。シクロクロスのトップ選手でもあるランダー・ルークス(ベルギー、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)のロングスパートは捉えられ、カウンターでドリュー・モレ(キナンレーシングチーム)が残り600mから先行する。逃げ切りに向けてチャンスを掴んだかに思えたモレだったが、フィニッシュ前150mで捕まりジャコモ・バッラビオ(イタリア、ヒリンコウ・アドバリクス)が先着した。

スプリントで勝利したジャコモ・バッラビオ(イタリア、ヒリンコウ・アドバリクス) photo:Tour de Taiwan
総合で遅れた小石祐馬(JCLチーム右京)はベストアジアンライダーに photo:Tour de Taiwan
2023年に小山智也とチームメイトだったバッラビオがプロ初勝利をマーク。クレッチュが総合首位を守った一方、3名を残したキナンを除いて日本チーム勢は不発に。岡篤志(宇都宮ブリッツェン)もベストアジアンライダー賞を手放すこととなった。

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