25日の外為市場でインドネシア・ルピアが下落し、アジア通貨危機以来の最安値を付けた。同国の財政を巡る懸念の高まりが背景。インドネシア銀行(中央銀行)は通貨防衛に向け介入を実施した。

  ルピアは一時0.5%安の1ドル=1万6642ルピアと、1998年6月以来の安値を記録。年初来では3%余り下落しており、新興国通貨市場の中でもパフォーマンスの悪さが目立っている。

  インドネシア銀行の当局者は25日、テキストメッセージで、同中銀がルピア安定に向け、外為市場のスポット取引や国内のノンデリバラブル・フォワード(NDF)取引、債券市場に介入していると明らかにした。外為市場の需給バランスを確保し、国内市場の信頼を維持するために「大胆かつ慎重に」介入しているという。

  また、ルピアが売られている主な理由として、トランプ米大統領による関税賦課や米金融当局のタカ派化の可能性など世界的な不確実性にあると指摘した。

USD/IDR Trades at Highest Since June 1998 | Spot rises amid Indonesian fiscal and US trade policy concerns

 

 

  ちょうど1年前まで投資家に人気だったインドネシアだが、今ではその魅力を急速に失いつつある。プラボウォ大統領が、これまで築かれてきた財政規律を徐々に緩め、軍の役割を民間社会に広げようとしていることに世界の投資家たちが懸念を強めているためだ。

  プラボウォ氏は昨年10月の就任以来、年間約300億ドル(約4兆5200億円)の無料ランチプログラムなどポピュリスト政策を打ち出しており、財政赤字は国内総生産(GDP)比3%という法定上限に近づいている。

  バンク・オブ・シンガポールの通貨ストラテジスト、モー・シオン・シム氏はルピアについて、「財政を巡る懸念が重しになる可能性が高い」ほか、外国人投資家による配当金の自国への送金も影響すると指摘。「米国による関税発表が予定されている4月2日を控え、インドネシア銀行は引き続きルピアの過度な変動を抑制すると予想される」と述べた。

  インドネシア株式も売られており、20億ドル余りが流出。インドネシア債も今年、米国債をアンダーパフォームしている。

  またインドネシアでは今月28日から4月7日まで大型連休を控えており、警戒感が高まっている。

原題:Indonesian Rupiah Tumbles to Lowest Since Asian Financial Crisis(抜粋)

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