【今そこにある危機】津波犠牲者ゼロの教訓「公助の前の共助が大事」福岡での備えは?12年ぶりの津波避難訓練 参加は3割・・・

津波が数分で押し寄せた能登半島地震で、住民が事前に準備をしていて犠牲者が出なかった地域がありました。福岡県でも津波が数分で押し寄せると想定されている地域があります。事前の備えは十分なのか取材しました。

地震から数分で津波 石川県珠洲市狼煙地区

福岡県西方沖地震や阪神淡路大震災を上回るマグニチュード7.6を記録した能登半島地震。数十分のうちに各地に津波が襲来しました。津波の高さが4メートルを超えた場所もあった石川県珠洲市。RKB 宮脇憲一アナウンサー
「目の前に海があり、波消しブロックもあるんですけど、ただこの辺りは本当に津波の被害が大きかった場所です。こちら、家の1階部分に車が押し流されて、今もそのままとなっています」

能登半島の先端にある珠洲市狼煙地区も地震から数分後、津波が押し寄せました。狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「遠くから真一文字で白いものがやってきて、それって東日本大震災の時もよく映像に出てくる、それがずっと来て、その港の中へザーッと流れ込んでくるんですよ」

犠牲者「ゼロ」役に立ったのは”名簿”

狼煙地区の住民はすぐに高台へ避難。地震で地面が1メートルほど隆起したこともあり津波による大きな被害はありませんでした。倒壊した家屋に取り残された高齢の女性もいましたが、地域の住民が救助に当たり犠牲者はゼロ。この時、役に立ったのが避難の際に支援が必要なのは誰かなど細かい情報を記載した名簿です。狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「いざという時の連絡先をできるだけ知っておくというふうなことを目的に作ったんです」

RKB 宮脇憲一アナウンサー
「狼煙地区の皆さんですか?」

狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「全員です。全員」

重要なのは公助の前の「共助」

自治体などの助け=公助を待つのではなく住民同士が助け合う=共助が重要だったということです。

狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「自分らで共助で何とかするしかないね」

RKB 宮脇憲一アナウンサー
「公助の前の共助がすごく大事ってことです」住民がお互いに助け合う自主防災組織が機能していた狼煙地区。

事前に津波避難を呼びかける看板を設置していて、住民の中で避難を習慣化することができていました。狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「活断層だらけだからね。もう安全な場所はないよ。どういう災害が起きるか分からない。今の世の中。特に豪雨なんてのはそうでしょ。地震もそうでしょ。そうすると自分の住んでるところにどんなことが起きるかって、やっぱり各自想像してもらって備えてもらうしか。何が起きるか、絶対ないってことはありえない」

12年ぶりの津波避難訓練

能登半島地震を受けて12年ぶりに津波避難訓練を行ったのが、福岡県福津市の花見地区です。福津市花見区 平木俊敬 総区長「これ川ですね。この川のこの辺は水浸しになるだろうということもあって、我々としては津波というのは想定しとかないかんということで準備した」福岡県の宗像市沖から朝倉市にいたる約110キロの「西山断層帯」。能登半島地震と同じく海底に断層があるため、津波発生の恐れがあります。津波襲来までの時間は、福津市や古賀市ではわずか数分。花見地区の沿岸部には、最大で高さ2.7メートルの津波が押し寄せると想定されています。

訓練参加者は住民の3割

そうした中、去年12年ぶりに開催された津波避難訓練。参加した住民は3割にとどまりました。福津市花見区 平木俊敬 総区長「足を動かして訓練しないと身につかないと思うんですよね。同じことを繰り返すことによって慌てずに何か対応しようという、皆さん方には染みこんでるんじゃないか」公の支援が入るまでに時間がかかると見られている巨大災害。

被害を少しでも減らすために、住民同士が助け合いながら事前に準備しておくことが重要になります。

詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1801582

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