【報ステ解説】大規模噴火なら「避難必要」富士山噴火の“火山灰”対策は?【報道ステーション】(2025年3月21日)

もし富士山が噴火したら、私たちはどのような事に気を付けなければならないのでしょうか。21日に行われた専門家会合で、大量に降る火山灰に対する備えが示されました。

■未明にもインドネシアで大規模噴火

インドネシアのレウォトビ火山で21日、大規模な噴火が発生し、噴煙は海抜約1万6000メートルにまで達しました。住民は火山灰の掃除に追われています。

日本では約100年間、大規模な噴火は起きていません。この状況に検討会の座長は…。

東京大学名誉教授 藤井敏嗣座長
「今のインドネシア、あるいは南米のチリと同じくらい(日本も)活発な活動、大きな噴火も時々起こすような国だった。広域に火山灰をまき散らすような噴火は、我々は経験していないから備えもできていない」

富士山が最後に噴火したのは300年以上も昔のこと。検討会は、当時と同じような大規模な噴火を想定しています。

東京大学名誉教授 藤井敏嗣座長
「これはほとんど誰も経験したことがない事象。桜島でもものすごいドカ灰だといったって、鹿児島市内で(灰が)1ミリを超えることはほとんどない」

■大規模噴火なら「避難必要」

国内で度々噴火している桜島よりも、富士山の噴火では多くの火山灰が降る可能性があります。報告では、降った灰の量に応じてどのような影響があるか、4段階のステージに分けられました。混乱を避けるため、降った火山灰が30センチ未満の場合は原則、自宅などにとどまって生活を継続することが求められます。

しかし、噴火時に外にいた場合、自宅に戻るのも大変です。鉄道は、火山灰が少し降っただけでも運行が止まります。過去にも噴火で鉄道が運休した例があります。レールから電力を得ている電車にとって、微量の灰が通電不良につながるためです。

東京大学名誉教授 藤井敏嗣座長
「交通網・電車が止まることを考えると、すでに出勤している人たちが自宅には帰れない。何十キロか歩いて帰るのは可能ですけれども、それ以外では帰れないということが起こりますので」

また、電力インフラにも影響が懸念されています。電線につながる部品に火山灰が積もり、雨が降った場合、漏電してしまい、停電につながる可能性があります。

■首都圏“インフラ停止”の恐れも

さらに、降り注ぐ灰の粒の大きさによっては、より影響が大きくなるかもしれません。東京都心は、富士山から離れているため、軽く細かな火山灰が降り注ぐといいます。

山梨県富士山科学研究所 吉本充宏研究部長
「こういう火山灰が2センチぐらい降った場合は室外機とか、そういったものにも影響が出てくるので、ビルとかの屋上に置いてある室外機とか冷却塔がうまく機能しないとか、出力が落ちていく可能性がある」

火山灰がさらに積もると車の運転も非常に難しくなります。火山灰が積もった場合の車の走行実験では、坂道ではタイヤが灰に埋まってしまいました。さらに雨が降ると…。

山梨県富士山科学研究所 吉本充宏研究部長
「(降灰)10センチで走れなくなる。雨の時は3センチぐらいから走れなくなると言っているが、もっと細かい火山灰の場合は(降灰が)薄い状態でも雨が降るとタイヤの溝に塊が詰まって、そうすると坂が上れないとか、カーブが曲がれないことが起こり、最終的には事故が起こる」

予測は難しく、必ずしも富士山が噴火するわけではありませんが…

山梨県富士山科学研究所 吉本充宏研究部長
「富士山の場合は、噴火する前に少なからずマグマが上昇する時に起こる地震などの前駆的な現象がみられると思いますので、そういったものが起こると注意していくことが大事」

■富士山大噴火 降灰への備え

政府の資料によると、富士山は過去5600年の間で約180回噴火していて、あくまで“単純計算”すると、噴火は31年に1回起こっています。最後の大きな噴火は300年前なので、備えは必要かもしれません。

(Q.2012年5月に桜島が噴火した際、観測された灰の量は、厚さにすると1カ月で最大7ミリ程度でした。富士山の大規模噴火で、火山灰はどれくらい広がりますか?)

西南西の風が吹くとした政府のシミュレーションによると、3時間後には3ミリ以上の灰が降る範囲が新宿など都心部にも及びます。1日目には都内から千葉県まで広範囲に3センチの灰が積もり、噴火が続いた場合、東京・埼玉・千葉・神奈川などの広い範囲で3センチ以上。相模原市付近では30センチ以上の火山灰が予想されています。

(Q.鹿児島の7ミリでもかなりの灰の量でしたが、都内で3センチとなると、どの程度生活に影響が出ますか?)

火山灰はライフラインに大きな影響を与えます。『微量(1ミリ未満)』の火山灰でも、地上を走る鉄道が運行停止したり、停電や通信障害が起きる可能性もあります。『3センチ』の火山灰でも、雨が降ると二輪駆動車が通行不能になり、物流にも大きな影響が出るということです。

政府は“火山灰の量”で警戒度を4つのステージに分けています。

降灰量が微量~30センチまでのステージ1・2・3の場合、原則自宅などでの生活継続。ただ、3センチ以上積もるステージ2以上の場合、道路が不通になる恐れが出るため、通院で人工透析などが必要な方については、避難が求められます。

ステージ4は、灰が30センチ以上積もった場合で、木造家屋倒壊の恐れがあり原則避難が求められています。

(Q.火山灰への対策は?)

報告書では、各自が備えるべき対策として「水や食料など1週間以上。可能であれば2週間分の備蓄」。さらに、火山灰対策として「防塵(ぼうじん)マスクやゴーグルの確保」など呼び掛けています。

また、専門家は、降った後でも「屋内に吹き込みそうな場所には目張り」「服は布だと手で払えないため、ナイロン製を着用する」などの対策も有効だとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

23 Comments

  1. 所得税・ガソリン税の減税の話題を、この時期に火山噴火や地震の話題でごまかすなよ。

  2. 灰の使い道を考えとこう
    でないと業者が山に捨ててまた土砂崩れになる

  3. 何十年も前から電線地中化が求められてるけれど、実際に発生したらまた想定外と口を拭って増税増税ひゃっほぅ♪とやるんだよな

  4. 火山灰はほとんど東に流れるから関東直撃
    富士山より怖いのは箱根
    噴火すれば火砕流が神奈川を飲み込む
    まさに地獄

  5. 富士山近辺の自衛隊の基地機能も麻痺しちゃうんじゃないのか?
    レーダーや滑走路が使えなくなったりせんの?

  6. 噴火したんかと思ったってコメント見るが毎日毎日富士山見てる私からしたら噴火したらすぐわかるわ

  7. 火山の話で政治の問題から目を逸らさせようとしてるのか?今まで、どこぞの山が噴火しても、ここまで大袈裟に騒ぐことなかっただろ。

    今の国民に大事なのは、他所の国での噴火より、国民の手取りを増やす政策。消費税、廃止。外国人の土地取得規制。日本の農業衰退の危機。売国奴政策を行い続ける石破や岸田ども。

    問題は山積みだが、少しずつ次世代に、誇れる国を残せるよう前進せねばなるまい。

  8. 富士山の噴火でもし混乱が生じると、結構厳しい、何せ人口が凄く多い所を直撃するため、、、

  9. もし富士山が本当に噴火したら、日本の空は太陽が見えなくなるでしょう

  10. 宝永噴火時の降灰マップと違うな、規模がもっと大きく想定したかいつもの朝日のあれか?