欧州連合(EU)は20日開催した首脳会議で、ウクライナ支援策を巡り合意に至らなかった。ハンガリーのオルバン首相の反対によって意見がまとまらず、オルバン氏を除くEU首脳はウクライナに対する定期的な財政支援継続と軍事支援強化に向けた文書を採択するにとどまった。(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq)
[ブリュッセル 20日 ロイター] – 欧州連合(EU)は20日開催した首脳会議で、ウクライナ支援策を巡り合意に至らなかった。ハンガリーのオルバン首相の反対によって意見がまとまらなかった。
オルバン氏を除く首脳は支援継続の方針を表明したものの、ウクライナが求めた少なくとも50億ユーロ(54億2000万ドル)供与については支持を見送った。
ウクライナのゼレンスキー大統領はオンラインを通じ首脳会議に参加し、砲弾を確保する資金が必要で、「可能な限り早期に少なくとも50億ユーロの支援が必要」と強調。EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)も、言葉だけでなく行動で示すよう呼びかけていた。
オルバン氏を除く全てのEU首脳は声明で「ウクライナに対する定期的かつ予測可能な財政支援を継続する」と表明。「ウクライナの差し迫った軍事・防衛ニーズに対処する取り組みを緊急に強化」すべきとの立場も示した。
ウクライナが求める50億ユーロに対する具体的な回答はなかったが、コスタEU大統領は加盟国が過去数週間に150億ユーロの支援を表明しており、増額を確信していると述べた。
カラス氏は当初、ウクライナへの軍事支援に今年最大400億ユーロを拠出することを提案したが、南欧など一部の国が難色を示していた。 もっと見る
<防衛力強化も議論>
首脳会議ではEUの防衛力強化も議題になった。リトアニアのナウセーダ大統領は「(欧州は)再軍備しなければならない。さもなければロシアの侵略の次の犠牲者になる」と訴えた。
一方、スペインのサンチェス首相は「再軍備」という言葉を好まないとし、「(欧州)南部が直面する課題は東部諸国とやや異なる点を考慮することが重要だ」と述べた。
マクロン仏大統領はゼレンスキー氏が27日にパリを訪問し、ウクライナの防衛を支援する方法について「有志国連合」と協議すると明らかにした。
EU首脳は欧州委員会の防衛計画についても協議した。イタリアのメローニ首相は「各国の債務に直接負担を生じさせない、真に共同の欧州債」が望ましいと表明。一方、オランダのスホーフ首相らはユーロ共同債に強く反対する立場を改めて示した。
EUが直面する経済課題も議題となり、産業の脱炭素化を進めながら競争力を維持し、人工知能(AI)など新分野で米国や中国に追いつくための取り組みについて議論した。
防衛への投資が経済力に依存していることを明確にし、規制緩和、安価でクリーンなエネルギーの確保、よりダイナミックな資本市場創設の3分野で年内に前進する方針を打ち出した。
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