【サッカー日本代表 予想先発&プレビュー】日本代表は3月20日の2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第7節にて、ホームでバーレーン代表と対戦。

日本代表は20日、2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第7節でバーレーン代表とホーム・埼玉スタジアムで対戦する。バーレーンの状況は? 懸念されていた3バックと1トップは?【取材・文=河治良幸】

■板倉「気の緩みが出ると痛い目にあう」

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“森保ジャパン”は2026年W杯アジア最終予選突破に大手をかけて、ホームのバーレーン戦に臨む。世間的には楽観ムードも漂う中で、ディフェンスリーダーの板倉滉は史上最速の予選突破に向けて「W杯に行くことが当たり前とか、そういうふうに思われるのは悪いことではないし、それは自分たちが今までやってきたことの積み重ねだと思う」と前置きしながら「選手の中にそういう気の緩みが出ると痛い目にあうと思う。まずは決めるという気持ちが強いので。気を引き締めて、チームとして緩みがないように戦いたいと」と語った。

■懸念は最終ラインの連係面。1トップは上田濃厚に

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これまで板倉と一緒に最終ラインを守ってきた谷口彰悟が昨年アキレス腱を負傷し、ここまで全6試合にフル出場だった町田浩樹もケガで外れた。そうした状況で、欧州屈指の名門であるバイエルンに所属する伊藤洋輝が、長期の離脱を乗り越えて9カ月ぶりに代表復帰。板倉も「間違いなくチームにとってプラスだと思います」と認める。3バックは、板倉に加えて伊藤、中山雄太、瀬古歩夢、高井幸大、関根大輝、菅原由勢といったメンバーで組むことになるが、どういう組み合わせになるにしても、あまり組んでいないメンバーでの連係面が生命線になってくる。

板倉は「毎回そうですけど、この短い準備期間で戦わないといけない。バーレーンはだいぶ前から日本に入って準備しているところもあるので。そういう意味でコミュニケーションの量は大事になってくると思いますし、もちろんケガ人が出ているというのはありますけど、ただ、今いるメンバーで戦わないといけないことは変わらない」と強調する。90分の中で、当たり前のことでも途切れることなく情報を伝え合っていく。それが一瞬のスキでやられてしまう最終予選を乗り切るカギであり、結果的に日本がここまで6試合で勝ち点16、得失点差+20という圧倒的な結果をもたらした理由であることを忘れるべきではない。

そうは言っても、やはり日本の戦力がアジアで突出したレベルにあるのも確かだ。今回は国際Aマッチで9試合9得点の小川航基を負傷で欠くが、代わりに今季ドイツ1部で7得点をあげている町野修斗を追加招集した。2年ぶりの代表復帰に町野は「日本代表に入るために、活躍するために、海外に挑戦しているので。非常に嬉しい」と意気込む。1トップのスタメンは従来通り、復帰した上田綺世と予想されるが、5枚の交代枠がある中で、日本を世界に導くゴールを決める可能性は古橋亨梧や町野にも十分あるだろう。

■準備万端のバーレーンに早くアジャストできるか

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相手のバーレーンは昨年アウェイで5−0と大勝した相手だが、板倉は「5−0という数字だけ見たら簡単な試合に見えがちですけど、実際戦っていた自分としてはそうではなかったし、アウェイの時は立ち上がりにピンチも多かった中で、そこをゼロで行けた。そこが勝った要因の一つだと思っているので。そこで点を入れられてしまうと一気に試合の流れは変わる」と警戒する。あの試合から多くのことを学んだというドラガン・タライッチ監督は多くの試合を重ねる中で、着実にチーム力を高めており、昨年末に行われたガルフ・カップでは強豪国のサウジアラビアとイラクを破るなど、快進撃で優勝を飾った。

バーレーンはいち早く来日して、この試合に向けた準備に余念がない。現在はラマダン(イスラム教の断食月)にあたり、飲食の制限があるためコンディションのところは不安視されるが、タライッチ監督とともに、前日会見に登壇した主力アタッカーのアリ・マダンは「イスラム教徒の選手は、こういう時期の試合にも慣れている」と語り、指揮官も”聖なる月”の期間の戦いに、大きな影響がないことを強調した。

2位突破の可能性を残すバーレーンはこれまで通りなら[4-2-3-1]がベースになるが、日本とのアウェイゲームという状況を考えれば、実際にどう出てくるか分からない。

エースのムハンマド・マルフーンを起点とした鋭いカウンターが武器だが、ただ引いて守るだけでなく、プレッシャーをかけながら2列目の推進力を生かして日本のゴールに迫ってくるはず。2度目の対戦ということもあり、蓋を開けたら予想と違うこともあるかもしれない。しかし、とこれまで多くの難局を乗り越えてきた”森保ジャパン”の選手たちは事前の情報だけでなく、キックオフしてからピッチ上で得られる情報を共有して、早い時間帯にアジャストすることもできるようになっている。

「最終予選の難しさも分かっている。経験がある上で挑めているのは大きなアドバンテージ。目の前の一戦に全力を尽くして勝利を掴み取りたい」と語るキャプテンの遠藤航を軸に、板倉が統率する3バックのところでいかに守備を安定させながら、”アジア最大火力”とも言える左右のウイングバックを含めた攻撃陣を生かして得点に結び付けるか。ホームでW杯を決める戦いの中で、注目していきたいポイントだ。

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