“食い違い”透ける思惑…戦闘停止の可能性どこまで?米ロ首脳電話会談【報道ステーション】(2025年3月19日)
アメリカとロシアの首脳が電話会談を行い、エネルギー施設やインフラへの攻撃を30日間、停止することで合意しました。
アメリカ トランプ大統領のSNS
「プーチン大統領との電話会談は、とても実り多かった。完全停戦に向けて、早急に取り組むという理解のもと、エネルギー施設とインフラすべてに対する攻撃の即時停止に合意した」
プーチン大統領は、軍に対し、即座に命令を下したそうです。ただ、アメリカが提案し、ウクライナが受け入れたのは、陸・海・空、すべてにおける即時停戦です。停戦案は、骨抜きにされたと言わざるを得ません。
ロシア側が発表した声明文には、ウクライナがのめない条件が組み込まれました。
ロシアの声明文
「紛争解決に向けた重要な条件は、他国から提供される軍事支援と、軍事情報の完全な停止だと強調した」
しかし、この内容についてトランプ大統領は、こう述べました。
アメリカ トランプ大統領
「いろいろ話したが、ウクライナへの支援は、一度も話題に上らなかった」
なぜ話が食い違っているのか、トランプ政権から説明はありません。
食い違いは、ほかにもあります。
アメリカ側の声明では、攻撃を停止する対象を『エネルギー施設とインフラすべて』と書いていますが、ロシアは『エネルギーインフラ施設』としているのです。つまり、ロシアは、発電所や石油施設に限定しているものと受け取れます。
ワシントン・ポスト
「合意内容の相違により、ロシア側はウクライナの橋や鉄道、港湾などへの攻撃を継続できることになる」
逆にロシアにとって、自国の石油施設への攻撃は、最も抑えたいものの1つです。最近、ウクライナが、改良した国産ミサイルを実戦投入したこともあり、その思いは、より強まっているかもしれません。
アメリカとロシアが合意したあとも、ウクライナに対する攻撃が行われました。
ウクライナ北部の街・スムイでは、“インフラ施設”である病院も標的に。翌朝には、ウクライナ東部で、国鉄の電力システムも攻撃を受けています。
訪問先のフィンランドで会見を行ったゼレンスキー大統領。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「プーチン氏がエネルギー施設への攻撃停止を命じたと発表した後に、150機のドローンがエネルギー施設などを攻撃してきました。プーチン氏の言動は一致していません。条件なしの一時的停戦こそが、和平への最初のステップです。戦争は、今年中に終わると信じています。トランプ大統領ときょう電話会談して、次のステップの詳細を話し合う」
◆電話会談について、ロシアの軍事戦略・安全保障に詳しい小泉悠さんに聞きます。
小泉さんは「和平への動きは、まったくない会談だった。地上戦を止めないと戦争は終わらないが、そのための具体的な話は何一つなかった」と話し、どちらかといえばロシアに有利だったとみています。
それが、エネルギー施設への攻撃停止です。
小泉さんは「ロシアでは、製油所がウクライナからの攻撃で打撃を受けていたが、回避できることになる。一方で、ロシアが望む“ウクライナの非軍事化”をトランプ氏も譲らなかった点は、ウクライナにとっても安心材料だった」とも指摘します。
停戦交渉は、まとまる可能性はあるのでしょうか。
小泉さんは、極めて難しいと分析しています。
「プーチン氏の本来の目的は、ウクライナの“非ナチス化”“非軍事化”“中立化”だが、現実的に難しそう。米ロ交渉では、停戦期間中のアメリカの武器支援停止を勝ち取り、“ウクライナの非軍事化”を国内向けにアピールしたい。ただ、こちらも、アメリカ側も譲らないのでは」と、プーチン氏も織り込み済みとしています。
プーチン大統領はどう出るのでしょうか。
小泉さんは、戦闘停止の一つのシナリオとしてあげたのが“凍結された戦争“です。
「大規模な交戦を停止し、“戦争の強度が”下がる状態。こうした状態の停戦もある。この間にロシア軍を再編し、ウクライナへの再攻撃の用意をするためだ」といいます。
プーチン大統領には、どのような思惑があるのでしょうか。
小泉さんは「プーチン氏は、アメリカと肩を並べてロシアが世界への影響力を示す存在にしたい。プーチン氏にとって思考の似通うトランプ氏は、くみしやすい相手と考えている。そのなかで、プーチン氏が狙うのは“米ロ関係の改善と強化”。例えば、米ロ間の核軍縮の条約など、ほかにも課題が多くある。プーチン氏は、ウクライナとの戦争を“特別”ではなく、“one of them=諸問題の一つ”として矮小化して、友好な米ロ関係を築くという狙いもあるのでは」と指摘します。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
10 Comments
トランプ家で頭掻き毟ってそう…
ロシアの〇〇がトランプの弱み。西側諸国はもう知っている。米国離れは世界で進む
核を持ったもん勝ち。間違いない。
これもうトランプただのバカじゃん
(__)(. .)
ただ深くお辞儀 退室
敗戦国のウクライナは、引っ込んでろ!
トランプ氏は外交が苦手なのを見透かされプーチン氏にいいようにあしらわれていますね
アメリカが軍事支援を一時停止させたことでクルスクを奪還できたロシアはもう譲歩する必要もなくなりました
戦争は激化の一途をたどるでしょう
ウーマニーバー
トランプさんはプーチンさんに舐められてると思うよ
ホラ吹き爺さん同士で話がまとまる訳がない