【報ステ解説】「領土や発電所の話を」一時停戦へ進展は?狙いは?米ロ首脳電話会談へ【報道ステーション】(2025年3月18日)

ウクライナとロシアの一時停戦を目指すアメリカのトランプ大統領と、様々な条件をつけて停戦案に難色を示すロシアのプーチン大統領。2人の電話会談が日本時間18日午後10時~午後12時に始まる予定です。停戦に向けて進展はあるのでしょうか。

■一時停戦へ“最大のヤマ場”

サウジアラビアで、アメリカとウクライナが一時停戦に合意したのがまだ1週間前のこと。ウィトコフ特使がモスクワに出向き、3~4時間にわたってプーチン大統領と話し合ったというのが5日前です。めまぐるしく、慌ただしく動いたこの情勢も、最大のヤマ場を迎えます。

アメリカ トランプ大統領(17日)
「非常に重要な電話会談になる。前にも話はしたが、とても重要な局面だ。ロシアとウクライナの事態を全て完結させたい。ウクライナでの事態は良くないが、和平を結べるかどうか試してみよう。停戦そして和平だ。実現可能だと思う」

両国とも停戦に応じることに自信を覗かせたトランプ大統領。ただ、現下の戦況をみると、ロシア有利の交渉案となる懸念は拭えません。ウクライナにとって交渉の切り札と言われてきた、クルスクの状況が様変わりしたからです。

クルスク州に展開するウクライナ軍の攻撃拠点だった要衝スジャ。ここにロシア軍が連日猛攻を仕掛け、15日にはウクライナ軍も撤退を認めています。時期を見誤ると、ウクライナはさらなる窮地に陥る可能性もあります。ロシア軍は、さらに南にあるウクライナのスムイに向けても攻勢を強めているとも言われているからです。

■トランプ氏「領土や発電所を…」

先日、クルスクの前線を視察したプーチン大統領はこう指示をしています。

ロシア プーチン大統領(12日)
「国境線周辺の状況を回復しなければならない。将来的に国境に沿って安全地帯を設けることを検討してほしい」

国境沿いの安全地帯。これは国境のウクライナ側の領土を手中に収め、緩衝地帯にするよう求めたとも指摘されています。停戦交渉に時間がかかれば、利があるのはロシアです。

そのロシアをどうやって交渉のテーブルにつかせようというのでしょうか。トランプ大統領から、こんなキーワードが出てきました。

アメリカ トランプ大統領(16日)
「“領土”や“発電所”の話もするだろう。これは大きな問題だが、すでにアメリカと双方との間で多くのことが話し合われている」

■“停戦ライン”固定化の懸念

領土、そして発電所。この2つから導き出されるのが“停戦ライン”です。

ホワイトハウス レビット報道官(17日)
「両国の“境界にある発電所”についても、大統領は18日の電話会談で言及する予定です」

報道官の言う発電所とは、侵攻直後からロシア軍に占領されているザポリージャ原発を指しているとみられます。立地している場所はロシア軍の支配地域の端にあたります。

この原発をウクライナ、ロシアどちらが管理するのかということを議論するのかもしれません。そうなれば、ロシアの支配地域を“停戦ライン”として固定することにもつながりかねません。先週、それを示唆する発言もしています。

アメリカ トランプ大統領(13日)
「私がウィトコフ特使らに指示し、領土や発電所を議論するのが重要だった。一国の境界線を作り出さねばならない」

力による現状変更は決して許されるべきではありません。しかし一部メディアでは、それが現実のものとなる可能性が報じられています。

米メディア『セマフォー』(18日)
「トランプ政権は、戦争を終わらせるための将来の合意の一環で、クリミア半島をロシア領として承認することを検討している」

奇しくも、クリミア半島をロシアが一方的に併合したのは、11年前の3月18日です。この後行われる米ロ会談は歴史にどう刻まれることになるのでしょうか。

■プーチン大統領の思惑は

停戦交渉は、まずウクライナが、アメリカが提案した「30日間の即時停戦」の受け入れを表明。その後、アメリカとロシアは、トランプ大統領の特使がモスクワを訪問するなど交渉が行われましたが“具体的な成果”はまだありません。首脳会談ではどんな話がテーマになるのでしょうか。

ロシア情勢に詳しい防衛省防衛研究所・兵頭慎治さんに聞きました。

(Q.プーチン大統領の思惑は何ですか)

防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん
「プーチン大統領にとって、トランプ大統領の“腹の内”を探ることが何よりも重要。それを見極めるための会談。最も懸念するのは、トランプ大統領が交渉への関心をなくすこと。交渉が停滞すると政治的な利益が得られなくなる。トランプ大統領が弱気だったら強気に、さじを投げそうだったら歩み寄るのでは」

(Q.領土についてはどんな思惑がありますか)

防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん
「これまでロシアの要求は、一方的に併合を宣言した、ウクライナ東部南部4州からのウクライナ軍の完全撤退だったが、これはさすがに“高い球”でトランプ大統領がのまない可能性をプーチン大統領は考えているだろう」

(Q.次の手は何ですか)

防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん
「ウクライナ東部南部4州の“実効支配地域”は認めさせる。仮にそこまでアメリカが認めない場合でも、4州全域で鉱物資源をアメリカと共同開発するという形で合意できれば“事実上の支配”と考えてのむ可能性がある」

(Q.ザポリージャ原発を指すとみられる、もう1つの“発電所”については)

防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん
「欧州最大規模の原発で、ロシアは電力供給源として死守したいのでは」

(Q.ウクライナ抜きでロシアに都合の良い主張ばかりですね)

防衛省防衛研究所 兵頭慎治さん
「プーチン大統領の狙いは、欧米を分断したうえでアメリカに接近し、経済制裁解除など実利を得ること。プーチン大統領が一番困るのは、ゼレンスキー大統領の時のようにトランプ大統領が不平不満を言い出すこと。まずは関係を保ち、協議の継続を目指すのでは」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2025
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

25 Comments

  1. トラ『…負けられない戦いが其処にある!』
    ゼレ『………………』
    プッチン『………』
    トラさんは誰と戦っているのやら。

  2. そりゃ当事者じゃなければ
    大越みたいになんでも言えるわな。
    大越の主張通り、プーチンを交渉のテーブルの席に
    つかせられるなら何の苦労もない。
    それができなくてこれまで停戦できずに
    戦争が続いてたわけだろう。
    ピャースカ批判だけするのは
    どっかの立憲と同じだよ。
    せめてこういう手が考えられるとか
    提案があれば別だけどね。

  3. ザポリージャ原発回収したら、クルスクの部隊はそのままベルゴロド方面を侵略して次の返還先を得ないとな。
    ウクライナに圧力かけても自国兵器でほとんど賄われ始めて依存させて敗戦させようとした目論見も米企業の兵器企業が大損しただけだな。

  4. な〜んだ。ロシアはウクライナ全土を占領しようとしているという話はどこにも出ないじゃん。
    連日、ヨーロッパにしろ、ゼレンスキーにしろ、日本のメディアにしろみんなロシアはウクライナそしてヨーロッパを占領しようとしてると騒いでいたのに、その話はどこに行ったんだろう。心配してたよ。

    占領が目的じゃなかったら、やはり別の理由があって、トランプもずっとその根本的な原因を取り除く必要があると言ってだんだね。

  5. 私はトランプが交渉のことを全く理解していないと思う。交渉の鍵は相手に自分の手札を見せないことなのに、トランプは最初からみんなに「もう戦いたくない、撤退したい」と宣言してしまう。もしあなたがプーチンなら、アメリカがウクライナを支援したくないと知った後で、停戦の必要性を感じるだろうか?だって、アメリカがウクライナを支援しなければ、ロシアはウクライナ全土を奪えるわけで、それならなぜ停戦する必要があるんだ?

  6. 強者はすべてが許され、弱者は奪われないために様々なものを犠牲にして強者を目指す
    しかし既存の強者は弱者が強くなることを許さない。弱者はそんな強者への反発を強めて強者たらんと軍備増強に核武装。
    そんな世界の行く先はどうなってしまうのでしょうね

  7. クルスク攻勢はプーチンとトランプが図ったものだな。ロシアの停戦交渉を有利にするため。衛星情報を遮断したり武器援助をやめるとか言ったりしたりそれにお合わせるようにロシアは精鋭部隊をクルスクに差し向けた。あまりに符号が合いすぎている。トランプはノーベル平和賞どころか国家反逆罪だ。

  8. 中国とアメリカが朝鮮半島でなぜ停戦できたのかを振り返ってみてください。双方が勝利の希望を見いだせなくなったときに初めて和平交渉を選ぶのです。しかし、トランプは就任早々白旗を掲げました。これはプーチンに対して、「ウクライナ全土を奪わなければ、あなたは愚か者と同じだ」と伝えているようなものではありませんか。

  9. 休戦はロシアにはほとんど意味を持たず、一方で深刻な打撃を受けたウクライナに再編成と補給の機会を与えます。敵を単純に仕留めてしまう方がはるかに賢明でしょう。休戦が実施されるかどうか、ウクライナに対する軍事援助が行われるかどうかに関わらず、戦争の最終的な結末は変わりません。これらの措置が実施されれば、戦争は長引く可能性があります。ゼレンスキー政権の排除、彼の戦争犯罪に対する処刑または暗殺、そしてロシアの勝利は避けられません。プーチン大統領が最善の判断を下すことに絶対の信頼を寄せています。彼がどのような選択をしても、彼の言葉は最終的なものです。😊

  10. プーチン・ロシアが有利になるような停戦案はダメだよ。ウクライナ領土への侵略を認めてはいけない。
    最終的にはアメリカとロシアは大国。力の弱いウクライナに領土割譲を飲ませるだろうが、ウクライナ国民はこの屈辱を忘れないで欲しい。
    日本だって、北方領土のことを忘れてはいない。

  11. 兵頭もアホで。
    アメリカも欧州も自爆。
    兵頭が西側は正義だーっと言ってた売国奴にしか過ぎん。
    正義の使者プーチンを咎めた我々日本人は憂き目に合う😊

  12. トランプはガザ地区の虐殺を、どう思ってるのだろう…
    サウジアラビアはガザ地区を優先するべきでは…

  13. ウクライナ人口 3600万
    ロシア人口 1億4000万
    アメリカ人口 3億4000万

    人口、GDP、成長率、軍事力
    自分より強いとこと争っても理がない。

    命よりプライドが大事なら抗えばいい。
    元々はモンゴルが治めてた土地なんやし、仲良く統治して有効活用すれば良かったのにね