「思い出の玉手箱」を失う 大船渡の3.11 “二重被災”…津波被害、山林火災で家が全焼「二度とこういう思いはしたくない」東日本大震災14年 岩手県 (25/03/11 21:26)
大規模な山林火災で大きな被害を受けた岩手県大船渡市では焼けた建物など生々しい被害の爪痕が残る中で東日本大震災から14年となる3月11日を迎えました。
3月11日朝の大船渡市です。
市内では東日本大震災で死者・行方不明者合わせて502人が犠牲になりました。
大船渡では2月、大規模な大規模な山林火災が発生。1人が亡くなり、およそ2900ヘクタールを焼き、9日、鎮圧しました。
最大4596人に出された避難指示は10日までに全て解除され、復興への道を歩んでき大船渡市は、火災の爪痕を残して東日本震災から14年を迎えました。
三陸町綾里です。この港地区は山林火災で42棟の建物被害がありました。
「まさかここまで火の手が早く回ると思っていなかった」
こう話すのは港地区に住む森下幹生さん(75)です。14年前、経営していた市内の水産加工会社が震災による津波で被災しました。
会社を再建させ一歩ずつ復興への歩みを進めてきましたが、今回、山林火災で自宅が全焼。二度の大きな災害に見舞われました。
森下幹生さん:
「行事があればここに集まって飲んだり食べたりそういう場所でしょっちゅう集まっていた。思い出の玉手箱だ。本当に残念だね」
森下さんは、東日本大震災と山林火災を重ね合わせて今の心境を語りました。
森下幹生さん:
「現場を見ると、改めてもう何もかも失ったわけだから。津波もそうだったけど二度とこういう思いはしたくないなと年も年だし」
午後2時46分
森下幹生さん:
「山林火災の被害もありましたけど被災から命だけは守るような一つの礎にして皆さんで追悼をしたい」
森下さんは自身が会長を務める市内の水産加工会社で従業員へ命の大切を伝え黙とうしました。
山林火災を境に街並みが一変した大船渡市。
それぞれが現実と向き合いながら迎えた3月11日です。
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