大船渡の3.11 津波で大切な人を…「母親のプレゼント」山林火災・避難指示解除で「墓参りできた」 全国から集まった消防士が黙とう 東日本大震災14年 岩手県 (25/03/11 21:44)

大規模な山林火災で大きな被害を受けた岩手県大船渡市では焼けた建物など生々しい被害の爪痕が残る中で東日本大震災から14年となる3月11日を迎えました。

3月11日朝の大船渡市。

市内では東日本大震災で死者・行方不明者合わせて502人が犠牲になりました。

大船渡では2月、大規模な大規模な山林火災が発生。1人が亡くなり、およそ2900ヘクタールを焼き、9日、鎮圧しました。

最大4596人に出された避難指示は10日までに全て解除され、復興への道を歩んでき大船渡市は、火災の爪痕を残して東日本震災から14年を迎えました。

避難指示の解除により大切な人の供養ができた人もいます。

3月10日、立ち入りの規制が解除された三陸町綾里にある長林寺。

10日まで避難生活をしていた地元の男性が、14年前、津波で亡くなった母親の墓参りに訪れていました。

津波で母親を亡くした山岸中さん(50):
「この山林火災の関係で3月11日は避難所でお参りはできないのかなと思っていたんですけども、3月11日を前に帰って来られたのは母親がプレゼントしてくれたのかなと」

そして、午後2時46分 

綾里漁港で黙とうしていたのは漁師の亘理孝一さん。震災の津波で自宅が流され今回は山林火災では漁業用の倉庫が焼けてしまいました。

漁業用の倉庫が焼けた亘理孝一さん:
「生きていく上ではまた仕事が再開できるような環境に戻さなければいけないから前向きな気持ちで頑張ろうと思ってはいるけど」

赤崎町では緊急消防援助隊が黙とうを捧げました。

平成以降最大規模となった今回の山林火災を消し止めるため、全国から集まり消火活動にあたってきた消防士たちです。

火災の鎮火に向け力を尽くす消防士たちは震災の被災地でもあるこの街に心を寄せていました。

山林火災を境に街並みが一変した大船渡市。

それぞれが現実と向き合いながら迎えた3月11日です。

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