【ゼンショーHD】
都内の牛丼チェーンの店舗で正社員として働く4年目の作田千佳さんは「給料が上がることで自分に使えるお金が増えるので、仕事のモチベーションにつながると思っています。賃上げするのは社員に期待してもらっている面もあると思うので、お客様の満足度を上げられるように仕事を頑張っていきたい」と話していました。

ゼンショーホールディングス広報室の山本哲也 室長は「単年度の賃上げでは、将来に不安が残ってしまうので、継続的な賃上げを行うことで社員の不安を取り除きたい。人への投資を通じて国内外の優秀な人材を確保して、企業の成長を加速させたい」と話していました。

【トヨタ】
トヨタの東崇徳 総務・人事本部長は会見で「働いているメンバーの実質賃金をしっかり守って不安なく働いてほしいという思いを満額回答に込めた。物価上昇に直面している組合員を含めた働く人の不安を解消し、世の中のブレーキ役になってはいけないという思いだ」と述べました。

そのうえで「賃金は根雪のように将来にわたって影響を及ぼすので、これを稼ぎ出すにはひとりひとりが働き方と意識を変えないといけない。将来に向けた覚悟を問い、我々の働き方がその投資を回収できる見込みがあるかという話し合いをした」と述べました。

一方、トヨタ自動車労働組合の鬼頭圭介 執行委員長も12日午後に記者会見し「組合員の1年間の努力を会社に評価いただいたと思う。組合員も時代にあわせて変わらないといけない。変わっていくことへの期待と責任があるという意味での満額回答だと思う。安どというよりこれからしっかりやらないといけない」と述べました。

【マツダ】
マツダの竹内都美子執行役員は「自動車業界全体の先行きは不透明で、きわめて大きな逆風に直面している。会社の未来を切り開く原動力は 人であると強く考えており、一丸となって難局に取り組んでいく会社の姿勢として組合の要求に対して回答した」と話しています。

【日立】
日立製作所の人事担当の瀧本晋さんは「地政学リスクが高まり、物価の上昇が継続する中で、デフレからの完全脱却を目指す日本経済にとって賃上げのモメンタムを定着させるということでは、非常に重要な年だった」と述べました。

そのうえでベースアップ相当分で組合側からの要求に満額回答した理由について「組合員からの賃金への期待が強かったと感じた。中期経営計画もおおむね達成する見込みなので従業員へ還元するとともに不透明感が高まる環境の中、それをはねかえして会社として強くなるためには人に投資しようという考え方だ」と説明しました。

【住友電工】
「住友電気工業」の労使交渉は、組合側が、基本給を引き上げるベースアップに相当する分として月額で平均1万5000円の賃上げを求めていました。これに対して経営側は、組合の要求を受け入れると回答し、交渉は妥結しました。

住友電気工業の太田垣宏 人事部長は「物価高が続く中で従業員の足もとの生活や将来への不安を払拭して、やりがいを持って頑張ってもらったり、人材確保への競争力を向上させたりするために、賃金の引き上げを継続的にやっていきたい」と話していました。

一方、30代の社員の男性は「日頃の努力が報われて素直にうれしいです。生活にかかるコストが上昇し続ける中、安心して業務に取り組めます。賃金が上がった分は、新しく子どもが出来たので、子育てに使いたいです」と話していました。

WACOCA: People, Life, Style.