イーロン・マスク氏が運営を任された米政府の新組織「政府効率化省(DOGE)」は、プライベートエクイティー(PE、未公開株)とファイナンスの経験を持つベテラン3人を社会保障庁に送り込んだ。社会保険プログラムの無駄遣いと不正の根絶を重視するトランプ大統領の意向を反映した人選と受け取れる。

  事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところでは、マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務めるテスラの取締役で、宇宙開発企業スペースXの初期投資家でもあるアントニオ・グラシアス氏(バロー・エクイティー・パートナーズ)と元ローン・パイン・キャピタルのスコット・コールター氏、元シフト4のマイケル・ラッソ氏らが選任された。

  政府機関や裁判所の文書でも氏名が確認されており、政府コスト削減の足掛かりとして社会保障庁が持つ重要性をうかがわせる。

  トランプ大統領は先月、中間レベルの不正対策スペシャリスト、リーランド・ドゥーデック氏を社会保障庁の長官代行に抜てきした。同氏の昇格に伴い退任したティファニー・フリック氏によれば、2月3日に着任したラッソ氏は、自分がDOGEの担当者だと職員らに何度も自己紹介した。

  ラッソ氏は社会保障データ分析のため、ピーター・ティール氏のパランティア・テクノロジーズでインターンとして勤務したアーカシュ・ボバ氏を社会保障庁に配置した。

関連記事:マスク氏、給付プログラムも削減と発言-トランプ氏の公約とは正反対

Elon Musk Meets With Republican Lawmakers On Capitol Hill

イーロン・マスク氏

Photographer: Al Drago/Bloomberg

原題:Musk Taps Private Equity Veterans to Aid DOGE at Social Security(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.