キリンホールディングスは今後の成長の鍵と位置付けるヘルスサイエンス事業の中核商品で免疫機能の維持に役立つ「プラズマ乳酸菌」の海外展開を本格化させ、同事業の収益源の一つに育てたい考えだ。

  キリンHDはプラズマ乳酸菌を配合した粉末のテスト販売をこのほど台湾で開始し、本格的な海外展開に着手した。台湾ではオンラインでの販売で顧客の反応を探るほか、2026年には豪州でも販売を開始、その後もタイやベトナムなど年に1カ国程度のペースで進出先を増やしていくことを予定している。

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キリンHDの吉村常務執行役員

Source: Kirin Holdings Co.

  吉村透留常務執行役員は都内での5日のインタビューで、飲料を除くプラズマ乳酸菌関連製品の事業利益が30年にヘルスサイエンス事業の10%程度を占める見通しを示した。キリンHDは同年の同事業の事業利益300億-330億円を目指しており、プラズマ乳酸菌関連で30億-33億円を稼ぐ計算になる。

  主力のビール市場の長期的な縮小が見込まれる中、キリンHDは健康意識の高まりを追い風にヘルスサイエンス事業を育てる方針だ。昨年、約2300億円を投じてファンケルを完全子会社するなど強化に向けた取り組みを進めてきた。

  健康な状態と病気の間を意味する「未病」に対するケアを求める市場をターゲットとしているプラズマ乳酸菌の事業展開でアジアでは23年4月に当時のレートで約1700億円での買収を発表した豪州の健康食品大手ブラックモアズが持つ販路を生かし、事業拡大を目指す構えで大型買収が事業成長に寄与する構図となっている。

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ブラックモアズのシミントンCEO

Source: Kirin Holdings Co.

  ブラックモアズのアラスター・シミントン最高経営責任者(CEO)も同日、取材に対して「アジアでの存在感を高めたいと考えており、免疫製品が重要な役割を果たすだろう」との見通しを示した。

  吉村氏は現在はサプリメントとしての展開に注力しているアジア市場について、中長期的には飲料の展開も検討することでブラックモアズと合意していると明らかにした。ただ、サプリと飲料では規制や供給網など違いもあることから、新たなパートナーと組む可能性もあるとした。

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