ウォール街のトレーダーは過去2年間、価格やファンダメンタルズ、経済情勢を問わず、市場で最も注目されている銘柄を追うだけで利益を上げてきた。そうした時代は、終わったようだ。
トランプ米大統領の政策を受けた成長鈍化や貿易の不確実性の高まりへの懸念が、にわかに市場に打撃を与えるようになった。その結果、最近の市場のラリーをけん引してきたモメンタムトレードが止まりつつある。
2023年と24年はテクノロジーや通信、一般消費財セクターがS&P500種株価指数を主導したが、今年は投資家の投げ売りで下位に沈んでいる。ヘルスケアや生活必需品といった株式市場での典型的な安全資産が、25年のけん引役だ。
ロス・キャピタル・パートナーズのチーフ・マーケット・テクニシャン、JC・オハラ氏は「ディフェンシブ銘柄の上昇を見ると、投資家はさらに守りの姿勢を強める」と指摘した。
S&P500種は27日に再び下落した。年初こそ好調なスタートを切ったが、今年のこれまでのリターンは0.3%のマイナス。欧州やカナダ市場を下回る。トランプ氏が勝利した昨年の大統領選後の上昇分を帳消しにする水準に近づきつつある。
債券市場の関係者は、米金融当局がインフレを懸念するよりも、経済成長の鈍化を憂慮する方向に近く転換する必要があると予想し始めている。
関連記事:米国債市場、FRBの方向転換を予想-物価よりも景気鈍化を憂慮
オハラ氏は「S&P500種は金利低下を歓迎しているが、これほど急速で激しい場合、問題があるのではないかと投資家はまず考える」と説明。債券相場の上昇を市場は防御的な動きとみているため、リスクの高いトレンド追跡型のトレードから撤退する動きが加速しているとの見方を示した。
ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」で構成するブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数の直近高値からの下落率は調整局面入りの目安である10%を超えている。
関連記事:マグニフィセント・セブン調整局面入り、時価総額223兆円消える
原題:Traders Flee Risk, Seek Havens to Hedge Uncertain Stock Market(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.