静岡県熱海市で起きた土石流は、発生から5日目を迎えてました。
■約1700人で捜索・・・“茶色い水”で一時退避
熱海市は6日、新たに3人の死亡が確認されたと発表した。見つかったのは、男性1人、女性2人。これで、土石流による死者は7人に。静岡県と県警の発表では、安否不明者は27人となった。
消防隊員が泥の撤去作業を行う足元で、茶色い水が流れている。また大きな岩が出てきた。泥をかき出していると、こうした岩があり、一つずつ手で移動させなければならないため、作業がなかなかはかどらないように感じる。
6日も時折、雨が降り続いた熱海市。約1700人で捜索活動が続けられたが、地盤がぬかるんでいるため、重機を入れることができず、手作業で進めることしかできない場所もあった。
生存率が著しく下がるといわれる、発生から72時間が経過しようとしていた6日午前10時半。自衛隊の「退避!退避!」という声とともに、救助隊員たちが一斉に退避する。
山の上で茶色い水が確認され、二次災害の危険が高まったため、一時活動が中断されることに。捜索は約1時間後に再開。「少しでも早く救出したい」過酷な状況でも、活動は続けられる。
■発生から4日・・・無事祈り「信じるしかない」
土石流発生から6日で、4日。行方不明者を捜す家族は「なんか葛藤しているんですかね。無事でいてほしい気持ちと覚悟を決めたほうがいい気持ちと」と話す。
行方が分からなくなっている、瀬下陽子さん(77)。長男は、携帯に何度も連絡しているが、応答はない。
夫と2人で、20年ほど前から熱海で暮らしている瀬下さん。土石流が起きた当日、夫は入院中で、自宅には瀬下さん1人で生活していたとみられる。母親の無事を祈りながらも、刻々と時間は経過していく。
瀬下陽子さんの長男(53):「今、絶望的かなというところが見えてきている。心の整理がつかない状況ですね」
坂本光正さんと娘の紗花さんも、いまだ安否が分かっていない。
紗花さんと娘が同級生だったという男性は・・・。
坂本さん親子の友人:「(紗花さんと)仲良かったので。毎日、心配で電話きて『寝られない』って『大丈夫だよね』って娘も言うんだけど、『大丈夫だよ、信じるしかない』って言ってますけどね」
5日、夫婦で救助された人は、捜索活動を見守っていた。
夫と救助された人:「階段上ったら、もう後ろに(土石流の)第2波が来てたんですよ。(救助隊に)2階の窓に、はしごを掛けてもらって、下はべニア張って、べニアを渡って、それで(家から)出ました」
話を聞いていると、大量の土砂の中から、自分の車を発見。屋根は潰れ、泥だらけの無残な姿になっていた。
夫と救助された人:「まだ、運転免許証が中に入ってるし。もう、あれじゃしょうがないですね」
■水道もストップ・・・風呂入れず除菌シートで
住民たちの生活にも、大きな影響が出ている。一部地域で断水が続いているため、給水所が設けられた。ガスや水道が、止まってしまった家もあった。
1人で暮らしている87歳の女性。風呂に入ることもできず、除菌シートなどで体を拭いて我慢している。足が不自由なため、避難所には行かず、家に残っているという。
現場近くの住民(87):「(Q.雨が降り続いて怖くない?)そう思うけどね、しょうがないね。土砂が回ってきたら、2階の空いている部屋に行きます」
■“セカンドライフ”も・・・“目の前”が崩落
崩落が起きた現場から、数百メートルの場所にある別荘地。熱海でセカンドライフを送るために、移住してきた人も多いという。
10年前に熱海に移住した夫婦、妻・藤田絹子さん:「老後はゆっくりと温泉でおいしいお魚食べて。海の見えるところで。そんな感じです」
夫婦そろって温泉好きだったこともあり、10年前に熱海に引っ越し。自慢のお風呂には、温泉が引いてある。屋上に案内してもらうと、崩落現場が確認できる。
10年前に熱海に移住した夫婦、夫・藤田武良さん:「電気がパッと消えたから。あれ?電気消えたなって思ってたら、スマホにメールが入ったり、電話がかかってきたり。大変なことになっているよっていうから」「そりゃもう、びっくりしましたよ」
10年前に熱海に移住した夫婦、妻・藤田絹子さん:「(土石流が)こっちに来たら、うちも危なかったのかしらって思うと怖いですよね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2021年7月7日放送分より)
※最新の情報は静岡県のHPをご確認下さい。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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