「ねぶたの和紙」を使った卒業証書 制作の際に出る切れ端を再利用 青森【ワイド!スクランブル】(2025年2月21日)

 あとひと月ほどで卒業シーズンを迎えるなか、青森市内の中学校では、卒業証書に青森ならではの「あるもの」を再利用する取り組みが進められている。一体、何を使っているのだろうか?

■和紙の切れ端を再生紙へ

 青森といえばリンゴ!…もありますが、夏の風物詩の「ねぶた祭り」。

 このねぶた制作で使われた和紙が、なんと卒業証書に変わるというのだ。

 ねぶたの制作工程の一つである、針金で作られた骨組みに和紙を貼る作業。この際に出てしまうのが、和紙の切れ端だ。

 これまでは、大量に出てしまう切れ端を廃棄していたが、去年の夏から、再生紙として製品化された。その再生紙を青森市内の小中学校の卒業証書に使ってもらおうというのだ。

 発起人である、ねぶた名人たちが14日、青森市内の中学校にねぶたの和紙を贈るため訪れた。

第7代ねぶた名人 竹浪比呂央さん
「卒業証書というのは子どもたちにずっと残るものですからね。これで郷土愛といいますか青森をずっと心の中に置いて羽ばたいてほしいなと思っています」

 卒業証書には、ねぶたの和紙からできていることを伝えるため、ねぶた師による絵が添えられる予定だという。

 青森の象徴とも言える、ねぶた。その和紙を使った卒業証書にどんな想いを込めるのか…。

青森市立西中学校 長尾信校長
「子どもたちにとっては卒業証書というのは、節目の年の一番の思い出になるものですので。ねぶた祭を利用した卒業証書のことを思い出しながら、世界に羽ばたいていってほしいなと思っています」

■近年は「ねぶた」の廃棄が課題に

 ねぶたを巡っては、お祭り後の処理に課題もあるようだ。

 ねぶた祭りのねぶたは、ねぶた師と呼ばれる職人がおよそ1年の時間と1基あたり1000万円から2000万円の費用をかけて制作しているという。そんな時間と費用をかけて作られたねぶただが、青森ねぶた祭実行委員会によると、お祭りが終わると処分されているという。大正以前は骨組みを竹で作っていたため、川や海に流して火をつけて処分していたそうだ。

 それが近年では、骨組みに針金が使われているため焼却処分ができなくなっているそうで、現在は役目を終えたねぶたの多くは翌日に解体し、産業廃棄物として処分されるそうだ。青森大学によると、大型のねぶた1基につき1.5トンの廃棄物が出るという。毎年、大小合わせておよそ80基のねぶたが制作されているため、合わせるとその量は膨大なものになるという。

 こうした、ねぶたの廃棄物問題の解決への取り組みが今、進められている。

 ハンドメイド雑貨の通販サイトなどを運営するクリーマでは、廃棄処分されるねぶたの和紙を再利用する「青森ねぶた祭×Creemaアップサイクルプロジェクト」という取り組みを行っている。プロジェクトにはおよそ100人のクリエーターから応募があり、さまざまな商品が制作・販売されています。

 商品は「ねぶたの和紙を使ったスマートフォンケース」「青森ねぶたの和紙をあしらったバッグ」「模様をねぶたの和紙で表現した猫のランプ」などがあり、これらの商品はこちらのねぶたの和紙が使われているという。担当者に聞いたところ、正確な箇所は分からないということだが、おそらくこの辺り(白い丸)ではないかという。

 バッグの柄は、襟元の模様が使われているのではないかとみられ、ランプの猫のお尻の部分も、この辺りの模様が使われているようだ。

 すでに売り切れている物もあるそうなので、お求めの際はホームページで確認してほしいということだ。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年2月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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