米国時間2025年2月13日,NVIDIAは,公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 572.42 Driver」をリリースした。WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となる本バージョンは,新作RPG「Avowed」や既存タイトルのアップデートに対応したドライバだ。
Avowedは,レイトレーシングを使用したグラフィックスと,NVIDIA独自の超解像技術「DLSS 3」のフレーム生成,そして内部遅延低減技術「NVIDIA Reflex」に対応するという。さらにGeForce RTX 50シリーズのユーザーは,「DLSSオーバーライド」を使って,マルチフレーム生成を適用できるそうだ。
マルチフレーム生成を有効化した場合,GeForce RTX 5090なら4K解像度で340fpsを超えるとアピールしている。
既存タイトル向けアップデートの目玉は,「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」である。今週中にリリース予定の本作におけるアップデートで,GeForce RTX 50シリーズのマルチフレーム生成を使えるようになるのに加えて,GeForce RTX 20シリーズ以降で使えるレイトレーシングの高画質化技術「DLSS Ray Reconstruction」(DLSS RR)にも対応するという。DLSS RRを有効化すると,グラフィックスの品質とフレームレートが同時に向上するそうだ。
インディ・ジョーンズ/大いなる円環で,DLSS RRがオフの状態(左)とオンの状態(右)
また,GeForce RTX 50シリーズのユーザーがマルチフレーム生成を有効にすれば,大幅にフレームレートが向上すると,NVIDIAはアピールしている。具体的には,GeForce RTX 5090ならば4K解像度で286fps以上,2560×1440ドットなら300fpsを超えるそうだ。
そのほかにも,オープンワールドアクション「鳴潮」では,DLSS 3のフレーム生成とNVIDIA Reflexに対応するアップデートが実施されており,GeForce 572.42 Driverは,そのアップデートへの対応が含まれている。
鳴潮でDLSSオーバーライドが利用できるかどうかとくに触れられていないが,GeForce RTX 50シリーズユーザーは試してみる価値があるだろう。
一方,GeForce 572.42 Driverにおける真の目玉は,「GeForce 572.16 Driver」で生じていた不具合への対応ではなかろうか。
去る2月4日に,いくつかの不具合に対処したHotfix版ドライバ「GeForce Hotfix Driver 572.24」がリリースされていた。GeForce 572.42 Driverには,そのHotfix版ドライバでの不具合修正がすべて含まれているそうだ。
それに加えて,一部のGeForce RTXシリーズユーザーが悩まされていたデスクトップの表示が壊れたり,Vulkanを利用するゲームやアプリケーションがクラッシュするなど,システム全体が不安定になる不具合も,GeForce 572.42 Driverでおおむね修正されたもようだ。システムが不安定になる原因は,GeForce 572.16 Driverで更新されたDLLのバージョン不整合に起因する互換性問題にあったようである。あまりの不安定さにアップデートを躊躇していたGeForce RTXシリーズのユーザーもいると思うが,GeForce 572.42 Driverを試してみるといいかもしれない。
GeForce Driverを入手したい人は,以下に示したリンクか,NVIDIA App(あるいはGeForce Experience)のアップデート機能を利用してほしい。
→Windows 11,64bit版Windows 10用GeForce 572.42 Driver(844.71 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/240889/
→ノートPC向けのWindows 11,64bit版Windows 10用GeForce 572.42 Driver(844.71 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/240857/
●GeForce 572.42 Driverの対応製品
デスクトップPC向けGeForce RTX 50シリーズ
デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
NVIDIA TITAN RTX
NVIDIA TITAN V
NVIDIA TITAN Xp
NVIDIA TITAN Xシリーズ
デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
ノートPC向けGeForce MX 200〜100シリーズ
●GeForce 572.42 Driverが統合するソフト
HD Audio Driver:1.4.3.2
PhysX System Software:9.23.1019
CUDA:12.8
NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.967.0
●GeForce 572.42 Driverの新要素
「Avowed」に対応
「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」「鳴潮」のアップデートに対応
G-SYNC Compatible Displaysに5機種を追加。G-SYNC Compatible Displaysの詳細は公式サイトを参照のこと
NVIDIA Appの最適化に4タイトルを追加
●GeForce 572.42 Driverで解決した問題
「VALORANT」を実行しようとすると,ゲームがクラッシュすることのある問題
「FINAL FANTASY XVI」を終了すると,PCがフリーズすることのあった問題
一部のPC構成でResizable BARを有効化すると,「Delta Force」の描画性能が低下することのあった問題
Blackwell世代のGPUで,3DMarkの「DirectX Raytracing feature test」のスコアが異常に低いことのあった問題
既存の動的ライブラリとアップデートされたDLLのバージョンが一致しないことによって生じていた互換性に関する問題
●GeForce 572.42 Driverにおける既知の不具合
通知エリアにあるGPUアクティビティアイコンの状態が,PCを再起動するまで変わらないことがある
Blackwell世代のGPUにおいて,3Dレンダラ「V-Ray 6」の「CUDA Vpath Test」の結果が,本来より低いことがある
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