【抗原検査には限界があります!】
PCR検査とは、ウイルスを検出する力…
感度がまるで…桁が違います!
(※少なくとも2の10乗以上…つまり3桁から4桁は違います)

2025/02/04(火)
救急外来で診療していました。
今日、お伝えしたいことは4つです。

①救急隊の皆さんのお話では、全体として、救急車の受け入れは、先々週、先週よりも良くなっているようです。
ただ、コロナの患者さんや、発熱をしている患者さんの受け入れは、やはり、他の疾患よりハードルが高いようです。

②いま、コロナの感染が増えており、施設や病院でのクラスター…医療スタッフ、介護スタッフの感染があちこちで起きています。

③コロナの抗原検査の限界について
PCR検査と比べ、抗原検査の感度は桁違いに低いです。
私自身の経験でも、Ct値が20台後半になる(ウイルス量が減る)と、抗原検査(抗原定性検査)では、陽性になりません。PCR検査ではCt値35、40…と検出できますので、その差は2の10乗(=1024倍)から15乗(=32768倍)。
3桁から4桁の差があります。差があるというより、全く別次元の検査だと考えた方がいいと思います。

今日、救急車で搬送されてきた高齢患者さんは、抗原検査では陰性でしたが、ID NOWという核酸増幅検査の一種(PCRには劣ります)を行ったところ陽性でした。

抗原検査で陰性でも、より詳しい検査をすれば陽性になるということは、よくあることです。
抗原検査には限界があります。
抗原検査で陰性だということをもって、コロナではないとは言えないということは、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

④コロナの感染に感染しても、ワクチンを複数回接種されている方は、症状が軽く済む場合が多いです。
これは、本当にいいことだと思いますが、一方で、多少症状があっても病院に行かない…検査をしない…そして、いつも通り仕事に行く、会食にも行く…ということで、知らず知らずのうちに感染を広げてしまう可能性も大きいと言えます。

ご本人にとっては軽くても、その方から感染してしまった相手の方にとっては、命に関わる重大な感染になる可能性もあります。
(重症化リスクがあり、かつ、ワクチンを打つことができない…または打たないという選択をした方にとっては、特に脅威です)
また、基礎疾患がない元気な若い方にとっても、後遺症のリスクがあります。感染を繰り返せば繰り返すほど、後遺症のリスクが高まるということも分かっています。

そういう意味では、誰にとっても気軽に感染していい病気では決してありません。
そして、コロナは決して単なる風邪ではありません。

まだまだ感染の拡大が、続いています。
くれぐれも感染対策に気をつけて、お元気でお過ごしいただけるようにと願っています。

私も、引き続き現場で頑張りたいと思います。
お互いに命を大切にし合える…お互いを大事にし合える…そんな社会を一緒につくっていきたいと思います!

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