2月2日、トランプ米大統領(写真)は「南アフリカが土地を没収し、特定の階層の人々を非常にひどく扱っている」と根拠なく主張し、南アフリカへの資金援助を調査完了まで全て停止すると表明した。ホワイトハウスで1月撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ワシントン 2日 ロイター] – トランプ米大統領は2日、「南アフリカが土地を没収し、特定の階層の人々を非常にひどく扱っている」と根拠なく主張し、南アへの資金援助を調査完了まで全て停止すると表明した。
交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「米国はこれを容認せず、行動を起こす」と投稿した。
米国政府の統計によると、2023年に米国は南アに約4億4000万ドルの援助を拠出した。
南アのラマポーザ大統領は先月、公益のために国家が土地を収用しやすくする法案に署名した。この法律は、1994年のアパルトヘイト撤廃から30年経った現在も続く、土地所有における人種間格差に対処することを目的としているという。
南ア外務省はトランプ大統領の投稿に対し、「トランプ氏のアドバイザーが調査期間を利用して、立憲民主主義の枠組みの中で南アの政策を十分に理解することを信じている」とした。さらに土地収用法について「多くの国に同様の法律があり、例外的なものではない」と続けた。
南アフリカは現在20カ国・地域(G20)の議長国。米国が議長国を引き継ぐことになっている。
ラマポーザ大統領は先月、トランプ政権下での米国との関係について心配していないとの見解を示した。トランプ氏とは昨年11月の大統領選勝利後に祝意とともに、同政権と協力していくことを楽しみにしていると伝えたことを明らかにした。 もっと見る
トランプ氏は第1次政権時代、南アフリカで白人農民の大規模な殺害や土地の暴力的買収が行われているとして調査すると表明。南ア政府は当時、トランプ氏が誤解していると指摘していた。トランプ政権が調査を実施したかどうかは不明だ。
トランプ氏の盟友で実業家のイーロン・マスク氏は南アフリカ生まれ。マスク氏は23年にXで、南アフリカの極左政党が古い反アパルトヘイトの歌「ボーア人を殺せ」を歌っている動画に反応し、「彼らは南アフリカで白人の大量虐殺を公然と推進している」とした上で、ラマポーザ氏に対し「なぜ何も言わないのか?」と訴えた。
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