by Hideya HAMANO
初期のApple Watchの一部モデルにバッテリーの膨張に関連する欠陥があり、これによってデバイスの画面が外れたり割れたりしたとする集団訴訟を解決するため、Appleがユーザーに2000万ドル(約31億円)を支払うことで合意したことがわかりました。
Apple Will Pay Out $20 Million to Apple Watch Owners. Who Can File a Claim? – CNET
https://www.cnet.com/tech/mobile/apple-will-pay-out-20-million-to-apple-watch-owners-who-can-file-a-claim/
Apple to Compensate Early Apple Watch Owners in Lawsuit Settlement – MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/01/31/apple-to-compensate-early-apple-watch-owners/
2019年に北カリフォルニア地区連邦地方裁判所で提起されたこの訴訟は、初代Apple WatchおよびApple Watch Series 1~3で、Appleがバッテリーの膨張に対応するために必要な内部スペースを設けなかったと非難するものです。
この問題により、Apple Watchのリチウムイオンバッテリーが膨張するとディスプレイやその他の部品に圧力がかかり、これがデバイスの構造的な損傷につながったと原告団は主張しています。特に、一部のケースでは画面が完全に外れてしまったものもあるとのこと。
Appleは原告の訴えを否定し続けていますが、記事作成時点で約5年が経過したこの訴訟に決着をつけてさらなる長期化を避けるために、和解に応じました。
Appleは声明で、「Apple Watchは安全で信頼できるように設計されています」と述べて不具合の存在を否定した上で、「この和解はもう販売されていない初代Apple Watch、Apple Watch Series 1、Apple Watch Series 2、Apple Watch Series 3に適用されます。これらの初期世代のApple Watchモデルに対する主張には甚だ同意しかねますが、さらなる訴訟を回避するために和解することで合意しました」と述べました。
和解案には、バッテリー膨張問題を経験したユーザーに補償するために、Appleが2000万ドルの基金を設立するとの条件が設定されており、該当するユーザーはデバイス1台ごとに20ドル(約3100円)の支払いを受けることができます。また、請求の数によっては最大50ドル(約7800円)まで金額が高くなる可能性もあります。
補償を受けられるのは、2015年4月24日から2024年2月6日までの間に、対象のモデルのApple Watchを所有していて、かつカスタマーサービスに苦情を申し立てるなどしてバッテリーの膨張に関する問題を報告したことがあるアメリカ在住のユーザーです。
資格のある人には、そのことを通知する電子メールかハガキが届きます。また、通知がなかったものの自分には資格があると考える人は、2025年4月10日までに公式の和解サイトで申請することができます。
Appleは、2025年1月にもSiriがユーザーのプライバシーを侵害していたとする訴訟で、9500万ドル(約149億3700万円)を支払うことに合意したばかりでした。
AppleがSiriによるプライバシー侵害疑惑に関して150億円を支払うことで和解 – GIGAZINE
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