28、29両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)定例会合開催前、債券トレーダーは、トランプ政権下で経済の方向性に不確実性が生じる中で金利がどこに向かうか確信をほぼ持てなかった。この状況は会合後も全く変わらなかった。
FOMC声明が、インフレ抑制を巡る進展が鈍ったため金利据え置きを決めたと示唆しているように見受けられたことから、米国債利回りは一時急上昇した。
だが、会合後に記者会見した米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、消費者物価上昇が引き続き鈍化するとの見通しを示し、すぐに懸念払拭に動いた。利回りは上げ幅を縮小し、29日としてほぼ変わらずとなった。米株式市場も似たような動きをたどった。
関連記事:FOMC、政策金利据え置き-利下げ急ぐ必要ないとパウエル議長 (3)
ブラックロックのポートフォリオマネジャー、ジェフリー・ローゼンバーグ氏は「米金融当局はさらなる措置を急いでいない」とブルームバーグテレビジョンの番組で語った。
昨年9月に開始した利下げサイクルの休止は、既にウォール街で広く予想されていた。底堅い経済や粘着性のあるインフレ、トランプ大統領による政策転換で追加金融緩和は難しいとの予想から、昨年終盤以降に利回りが急上昇した。
Traders Back Away From Pricing Two Fed Rate Cuts
Source: Bloomberg
当局はインフレ率が目標の2%に戻る方向か見極めようとする中、様子見姿勢を取ってきた。トランプ大統領も新たな関税賦課を警告し減税を掲げることで見通しにかなりの不確実性をもたらしている。関税と減税はともにインフレ圧力につながる可能性がある。
パウエル議長の発言は、債券相場の方向性をどちらか一方にほとんど導かなかった。ただ、なお景気抑制的な金利水準がインフレを引き続き鈍化させるとの見通しを示したことで、当局が再び利上げに転じるのではないかとの懸念が幾分後退したようだ。またパウエル氏は、トランプ氏の政策が金融政策の道筋にどう影響するかについて言及を避け、データ次第との立場を強調した。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル債券担当最高投資責任者(CIO)、ボブ・マイケル氏は「米金融当局が次の利下げ機会を狙っているようには見受けられない」とブルームバーグテレビジョンの番組で述べた。
パウエル議長の発言はそうした見方を裏付ける形となり、スワップ市場に織り込まれた今年の利下げ幅予想は43ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、FOMC声明発表前の48bpから低下した。これは年内に0.25ポイントの利下げが1回行われた上で2回目の0.25ポイント利下げが実施される可能性があるとトレーダーが予想していることを示している。今年1回目の利下げは年半ば以降と見込まれている。
原題:Bond Traders Are Kept in Limbo After Powell Offers Few Clues(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.