欧州中央銀行(ECB) のラガルド総裁は、同中銀の利下げペースが遅過ぎるということはなく、金融緩和についての慎重なアプローチを維持する方針だと述べた。CNBCとのインタビューで語った。

  ラガルド氏は22日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会に出席しているダボスでのインタビューで「われわれは後れを取っているとは思っていない。ある意味で規則的な、段階的な道筋を歩んでいる」と語った。

  サービス価格の高騰と賃金の上昇が依然として懸念材料ではあるものの、2%のインフレ目標は「視野に入っており、ディスインフレのプロセスは続いている」とも述べた。

  ECBはトランプ米大統領の経済政策が米国のインフレをあおり、それが欧州に波及する可能性について「過度に懸念しているわけではない」と付け加えた。

ECB Cuts Inflation and Growth Forecasts

Source: ECB

  来週の政策決定会合では、2024年の4回に続く5回目の0.25ポイント利下げが広く予想されている。

  依然として高い不確実性が存在することからあらかじめコミットすることはしないものの、当局者らはタカ派・ハト派を問わず、1月以降のさらなる行動を示唆している。2025年半ばまでに経済活動を抑制も刺激もしない中立水準に金利を引き下げる方向だ。

  多くの当局者は中立的な金利水準を、2-2.5%の間と推測している。ECBの中銀預金金利は現在3%。ラガルド氏は中立金利を1.75-2.25%とみている。

  「その水準に近づけば、議論はもう少し活発になるだろう」と同氏は述べた。

  エネルギー価格の上昇とユーロ安が依然としてリスク要因であるものの、2024年終盤に上昇したインフレ率は25年中に目標の2%に戻るとECBは予想している。一方で、経済は低迷している。

  ラガルド氏は、成長へのリスクは下方向だと繰り返し述べた。

  オランダ中銀のクノット総裁は22日にブルームバーグテレビジョンに対し、今後2回の会合での利下げを市場が予想していることについて「満足している」としながらも、景気「刺激的なモードに進む必要があるとは、まだ確信していない」と述べた。

ECBは年半ばにはインフレ目標に接近、中立金利も可能-独連銀総裁

ECBは各会合で利下げの可能性-ビルロワドガロー仏中銀総裁

原題:ECB Not Behind Curve and Will Cut Gradually, Lagarde Tells CNBC(抜粋)

 

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