イスラエルは安全保障担当閣僚で構成する閣議で、イスラム組織ハマスとの停戦および人質解放の合意を承認した。1年3カ月にわたったパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘が停止に向かう道筋が開かれた。
この承認により、イスラエルは合意を全体の閣議に諮る。極右閣僚の一部による反対はあるものの、全体閣議でも承認される見通しだ。
全ての手続きが済めば、ガザでのイスラエルの軍事活動は縮小され、6週間に及ぶ停戦が始まる。ハマスに囚われているイスラエルの人質と、イスラエルが拘束するパレスチナ人囚人の初回の交換が、トランプ次期米大統領の就任式前日に当たる19日に行われる見通しとなる。
安全保障担当閣僚による会議を主催したネタニヤフ首相
Source: Koby Gideon (GPO)/Handout/Getty Images
トランプ氏、退任間近のバイデン大統領とも、米国の政権交代よりも前の和平成立を推進していた。
19日の停戦発効に向け、計画が進行している兆しも見られる。イスラエル法務省は、人質との交換で釈放される予定のパレスチナ人囚人のリストを公表。ハマスの攻撃で犠牲となった人々の遺族に、特定の囚人について異議を申し立てる機会を与えることが狙いだ。ただ、これは形式的な意味合いが強いと考えられている。
法務省は発表文で、19日午後4時よりも前にイスラエルが囚人を釈放することはできないと説明した。
合意条件に従い、ハマスはガザにとらえている98人前後の人質のうち、33人について段階的に解放する。ただ、人質の多くは既に死亡したとみられている。一方でイスラエルはガザの人口集中地域から軍を撤収し、約1000人のパレスチナ人囚人を解放する。
停戦への期待から、ここ数日にイスラエルの株式相場は大きく上昇。同国の主要株価指数はドル換算で今週は4.4%上昇し、上昇率は世界最高の部類に入る。
17日の取引でイスラエル・シェケルはドルに対して一時1.7%上昇し、同国のドル建て債は新興市場の中で際立つ上げ。2060年償還債は額面1ドル当たり1.2セント上げて65セントとなり、11月以来の大幅な上昇を記録した。
原題:Israel Security Cabinet Approves Deal for Ceasefire in Gaza (2)(抜粋)
(第4段落以降を加えます)
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