イングランド銀行(英中央銀行)は、7億5000万ポンド(約1440億円)の英国債売却を成功させた。量的引き締め政策(QT)の一環だが、最近の相場急落で停止を求める声が強まっている。

  13日午後に行われたこの売却では、応札倍率が2.24倍と、昨年初め以降の短期債入札における平均応札倍率の2.66倍をわずかに下回っただけだった。先週1週間に英国債利回りは大きく上昇したが、英中銀が放出した国債への需要は持ちこたえていることを示す。

  英10年債利回りは17年ぶりの高水準にある。これを受け、英中銀には国債売却を停止するよう圧力がかかっている。英中銀は金融危機や欧州連合(EU)離脱、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などの際に景気を支えようと、2009年から21年まで断続的に英国債を購入した。

Gilt Yields Are Up More Than Half a Point in a Month

Source: Bloomberg

  英中銀は資産購入ファシリティー(APF)を通じて保有する債券の縮小を図っている。この債券保有高はピーク時に8950億ポンドに達していたが、10月までの1年間で1000億ポンド減らしたい考えだ。このうち積極的な売却は130億ポンドだけで、残りは満期償還が占める。

  インフレの長期化や公的財政がもはや持続可能ではないとの懸念から、英国債利回りは上昇を続けている。

  シンクタンクの経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)で主任経済顧問を務めるビッキー・プライス氏は、英中銀は積極的なQTをやめ、英国債の価格が間違っているとのシグナルを市場に送るべきだと主張。

  パンムア・リベラムのチーフエコノミスト、サイモン・フレンチ氏は10日にX(旧ツイッター)で「英中銀が英国債市場に介入すべき水準に達した」と論じ、「QTプログラムの一環としての積極的な英国債売却を休止」すべき時だと続けた。

原題:BOE Gets Solid Demand in Bond Sale Despite UK Market Woes(抜粋)

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