バイデン米大統領は6日、米沿岸6億2500万エーカー(約253万平方キロメートル)余りの海洋を、石油・天然ガスプロジェクトの恒久的な禁止海域に指定した。この海域での採掘は「リスクに見合う価値がない」とし、米国のエネルギー需要を満たす上で「不要だ」と警告した。

  トランプ氏の大統領就任を2週間後に控え、バイデン大統領が発布した2つの大統領覚書は、環境保護と気候変動対策における同氏の功績を際立たせるものとなった。バイデン氏はこのほかにも石油開発を抑制する措置を取ってきたが、今回の大統領覚書をトランプ氏が覆すのは比較的困難となり得る。覚書が根拠としているのは72年前に施行された連邦法の条項で、米国の大統領は石油とガスの採掘から米海域を除外する権限を持つとしている。

  バイデン氏は東西海岸とメキシコ湾東部のほか、数千年前から先住民が依存する海鳥や海洋哺乳類、魚類などの野生生物が多く生息する北ベーリング海の一部を、将来の石油・ガス開発禁止海域とした。既存のリース契約に基づくエネルギー開発には影響せず、天然ガスが豊富なアラスカ州クック湾や、メキシコ湾岸中部と西部での採掘権売却に道を閉ざすものではない。これらの海域で生産される石油と天然ガスは、米生産全体の約14%を占める。

  バイデン大統領は環境保護とエネルギー安全保障の間で慎重にバランスを取ったと自負する。

  「禁止海域で見込まれる化石燃料の生産量は、新たなリースと採掘によって生じる環境や公衆衛生、経済のリスクを正当化するには極めて小規模であることが明白だ」と声明で説明。「米国は環境保護と経済成長のどちらかを選ぶ必要はない。海洋の健全性や沿岸の回復力を維持し、食料の生産を確保するのか、それともエネルギー価格を低水準に抑え続けるのかという選択も不要だ」と述べた。

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  バイデン氏が保護する海域の一部は、2020年に行われた大統領選挙運動の終盤、当時のトランプ大統領が石油・ガス採掘権を取り消した水域だ。しかしフロリダ州西海岸と米国南東部沿岸を保護するこの取り消しは、2032年に失効する。バイデン氏はこれを恒久的なものとした。

  トランプ氏は6日、バイデンの措置を大統領就任後直ちに覆すと表明。「すぐさま解禁するつもりだ」と保守系ラジオ番組で発言し「私には即座に解禁する権限がある。バイデン氏は何をしているのか。なぜそんなことをするのだ」と語った。

原題:Biden Bars Offshore Oil Drilling in US Atlantic and Pacific (1)(抜粋)

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