3日の米株式相場は反発。S&P500種株価指数は押し目買いが入り、6営業日ぶりに上昇した。

株式終値前営業日比変化率S&P500種株価指数5942.4773.921.26%ダウ工業株30種平均42732.13339.860.80%ナスダック総合指数19621.68340.891.77%

  S&P500種は前日まで、昨年4月以来の長期下落局面にあった。3日はナスダック100指数も1.7%高で引けた。

  午後に採決が行われた米下院議長選でジョンソン氏の再選が決まると、相場はこの日の高値を付けた。トランプ次期大統領が掲げる企業寄りの政策と規制緩和を、共和党議員が結束して進める可能性が示唆された。

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  ヌビーンのグローバル投資ストラテジスト、ローラ・クーパー氏は、トランプ政権の政策がどういったものであれ、「米国例外主義は少なくとも今年上期、主要なテーマであり続ける」とブルームバーグテレビジョンで述べた。

Exuberance Returns | S&P 500 snaps longest string of losses since April

 

 

  この日の経済統計では、米供給管理協会(ISM)が発表した昨年12月の製造業総合景況指数が市場予想を上回った。新規受注は昨年1月の水準に並び、2022年5月以来の高水準となった。

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  市場分析会社バイタル・ナレッジの創業者、アダム・クリサフルリ氏は同指数について、徐々に好ましい内容になってきているが、「タカ派的な政策と高利回りへの懸念を強めるだろう」と述べた。

  個別銘柄では、 住宅金融の連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)がそれぞれ大幅に上昇。米監督当局が政府管理を解除するロードマップ(行程表)を策定した。

  USスチールは一時8%を超える下げ。日本製鉄による買収計画を阻止すると、バイデン大統領が声明で発表した。

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米国債

  米国債相場は下落(利回り上昇)。利回りは午後の遅い時間帯にこの日最も高い水準を付けた。来週予定されている利付債入札や大量の社債発行が意識された。

  ISM製造業指数が市場予想を上回り、仕入れ価格指数が上昇したことも利回り上昇を後押しした。

国債直近値前営業日比(bp)変化率米30年債利回り4.81%3.60.75%米10年債利回り4.60%4.00.89%米2年債利回り4.28%4.10.97%  米東部時間16時50分

  来週は6日に3年債、7日に10年債、8日に30年債の入札がそれぞれ行われる。9日は短縮取引で10日には12月の米雇用統計が発表される。

  リッチモンド連銀のバーキン総裁は、政策金利の現行水準について、今年のインフレを抑制する上で引き続き十分に景気抑制的だとの見解を示した。

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外為

  外国為替市場ではドル指数が小幅に反落。ISM製造業指数が2カ月連続で持ち直したことを受けて上昇に転じる場面もあったが、再び売りに押された。

為替直近値前営業日比変化率ブルームバーグ・ドル指数1312.24-1.85-0.14%ドル/円¥157.31-¥0.19-0.12%ユーロ/ドル$1.0308$0.00430.42%  米東部時間16時50分

  ドル指数は週間ベースでは5週連続の上昇となった。

  円は対ドルで上昇。一時1ドル=156円88銭を付けたが、その後は上げ幅を縮小して157円台前半での取引。

  ジェフリーズの外国為替グローバル責任者ブラッド・ベクテル氏は、今後講じられる政策との関連でいくつかの要素がドル上昇を示唆していると指摘。「今四半期の早い時期には、ドル高に賭ける投資が続く」とリポートで予想した。その上で、「政策の実際の遂行と順序付けが問題になる第1四半期の中盤から終わりにかけては相場変動が大きくなり、ポジションと見通しの明確さは欠けてくる」と記した。

  前日に対ドルで大幅に下げていたユーロは反発。

  JPモルガン・チェースのグローバル外為戦略共同責任者ミーラ・チャンダン氏ら同行アナリストは、「欧州に関する悲観的な見方は相場に織り込まれ始めているが、ユーロにはさらに軟調となる余地がある」とリポートで指摘した。

原油

  ニューヨーク原油は続伸。約2カ月ぶり高値に押し上げた上昇局面は続いている。米原油在庫の減少と、金融市場全般に広がるリスクオンのムードが、中国経済への不安を相殺した。

  ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は5営業日続伸。1バレル=74ドルに接近し、終値で10月中旬以来の高値に達した。主要なテクニカルの節目を今週超え、クオンツファンドから新規の買いを呼び込んだほか、この日は株式市場の堅調とドルの軟調という追い風が吹いた。米先物市場では期近2限月のスプレッドがバレル当たり約75セントに拡大し、供給見通しタイト化の兆候と受け止められている。

  原油価格の上値は人民元の下落に押さえられた。本土市場の人民元相場は、中国が24年終盤から守り続けてきた水準を突破する元安となり、中国経済への不安をあおっている。

Oil Hits the Highest Since Mid-October | WTI rallies after break above 100-day moving average

WTI先物と200日移動平均、100日移動平均

出所:NYMEX、ブルームバーグ

  2025年の先行きは依然不透明だが、需給は供給超過が予想され、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」はこれまで控えていた産油活動を復活させる可能性があるほか、最大輸入国である中国の需要はさえない。トランプ氏の大統領返り咲きも世界市場をさらに予測不能にしている。

  価格面で明るいニュースとしては、一部の中東原油はここ数日に価格が上昇。旺盛な製油需要と、イランとロシアからの輸入が制裁で滞っていることから、中東原油価格は北海ブレントに対してめずらしく上乗せされている。

  ゴールドマン・サックス・グループの商品調査責任者、ダーン・ストライフェン氏は「現在の原油価格は数ドル過小評価されている」と指摘。「世界のエネルギー需要は非常に著しい増加を続けるだろう」とブルームバーグテレビジョンで述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前日比83セント(1.1%)高い1バレル=73.96ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は、0.8%上昇し76.51ドル。

  ニューヨーク金相場は反落。短期的な株価乱高下への不安が深刻化しており、金投資家の関心を集めている。

  米国で年末年始に立て続けに起きた悲惨な事件を受け、市場はさらに神経質になっており、今月下旬の大統領就任式を控え安全面での不安が広がっている。

Gold Slips as Traders Weigh Rate Cut Outlook | Traders await key economic data due this week

上段:金スポット価格と100日移動平均、50日移動平均、下段:相対力指数(14日ベース)

出所:ブルームバーグ

  金は2024年を27%高で終え、2010年以来の好調な年を記録した。米金融緩和サイクルと根強い地政学リスク、中央銀行による金購入が価格を支えた。ワールド・ゴールド・カウンシルは今年は上昇ペースが落ちると予想。経済成長やインフレといった変動要素に上値を抑えられるという。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後3時5分現在、前日比18ドル(0.7%)安い1オンス=2639.90ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は14.30ドル(0.5%)下げて2654.70ドルで引けた。

原題:Stocks Snap Five-Day Drop as Dollar Retreats: Markets Wrap

US Stock Gains Extend as Risk Appetite Returns: Markets Wrap

Treasuries Slide Ahead of Next Week’s Auctions, Corporate Supply

Dollar Trades Weaker After ISM Data as Loonie Lags: Inside G-10

Oil Extends Rally as Bullish Momentum Overpowers China Woes

Gold Declines as Traders Await Key US Economic Data

 

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