静岡県は、家屋を押し流すほどの土砂崩れが、何らかの開発行為による「盛り土」があった場所で起きたと発表しています。
■消防団「でかい規模はないと・・・」
大量の土砂で埋もれた街に、降り続ける雨。静岡県熱海市では、土石流が発生した3日までの48時間で、7月1カ月の平年降水量を大きく上回る321ミリもの雨が降りました。
3日午後5時すぎ、土石流の被害があった現場では、流れてきた泥が高く積もり、建物の2階付近まで達しています。
土砂で押しつぶされた家屋。根元から倒された木々。ひしゃげた自動販売機が、土石流の勢いを物語っています。
建物の3階に、高齢の男性が避難しています。橋に土砂が詰まっていて、車両は全く通れません。人も入れない状態です。
現場に緊張が走るなか、救助に向かった警察官が裏側から建物へ。そして、救助できたという情報が、警察から入ってきました。
救出作業を行った消防団は、「ほんの一瞬だったんで逃げられる人が限られている状態。小さい土砂崩れは今までもあったけど、こういうでかい規模はないと思っていた」と話します。
辺りが暗くなるなか、懸命な捜索活動は続きます。
3日、10人が救助されましたが、港では女性2人が心肺停止の状態で発見。その後、死亡が確認されました。
■教え子、同僚、家族が行方不明
4日は朝、自衛隊や消防など、約1000人態勢で救助活動が再開しました。
元小学校教諭の女性は、小学校時代担任をしていた教え子2人と連絡が取れなくなり、早朝から現場に駆け付けたといいます。
教え子の1人は避難していて、知人を通じて無事を確認することができました。しかし、いまだ1人の行方は分かっていません。
大量の土砂にのまれた街で、心配そうに現場を見つめる男性の姿がありました。
土石流が発生した現場近くの会社に勤める男性。同僚の家が流され、その後、連絡が取れなくなっているといいます。
同僚の家は、川の上流にありましたが、今は見る影もありません。
腕に包帯を巻いた男性は、土石流に巻き込まれ、一時生き埋めになっていました。
一時生き埋めになった男性:「(Q.自分が生き埋めになった?)そうです、がれきの中に」「ちょうどね、隙間があったんで5分、10分で出られましたけど」
男性は、壊れた自宅から、自力ではい出したといいます。
一時生き埋めになった男性:「妹がまだ・・・」「(Q.妹さんがまだ行方不明ですか?)行方不明」「現場でも大声出してたんだけども、応答がないんだ。応答がなくてね、うーん・・・」
■なぜ土石流が市街地を襲ったのか
4日にドローンで撮影された現場の映像で、土石流から一夜明け、被害の全容が見えてきました。
街には、泥と濁流が流れ込み、地面をえぐり取った様子が見て取れます。
土石流が流れたルートにある電柱は、根元から折れ、横倒しに。流された住宅は、建物の半分が破壊され、原型をとどめていません。
災害が起こる前の様子と、比べてみました。倒壊を免れた赤い屋根の建物、すぐ脇を通る道路だったはずの場所は、川のようになり、茶色く濁った水が流れている。道沿いにあったはずの多くの住宅は、跡形もなくなっていた。
約1キロ、最大で幅120メートルに渡って被害を出した土石流。起点となったのは、山側にある、標高390メートルの場所でした。
現場は、地面が大きく崩落し、土がむき出しの状態に。静岡県の調査によりますと、崩落は幅100メートル、深さ10メートル以上の規模で起きていたといいます。
一体、なぜ大量の土砂が土石流となり、市街地を襲ったのでしょうか。
静岡県・川勝平太知事:「開発行為がなされているという現実がございます」「因果関係について、あるかないか、専門家の意見を承るというふうにしたいと思っています」
県の対策本部で指摘された“開発行為”とは?
■大量の「盛り土」崩落・・・因果関係は?
土石流が発生した伊豆山地区は、一帯が急斜面の山などに囲まれ、県から土石流の警戒区域に指定されているエリアでした。
気象庁によりますと、現場周辺の72時間降水量が、411.5ミリを観測し、観測開始以来、7月としては史上最大で、土石流の発生には、大雨の影響があったとみられています。
また、県の調査によりますと、伊豆山地区の中心部から1キロほど山の中で、宅地造成のために土が盛られていた斜面が大きく崩れていたことが分かりました。
崩落後と崩落前を比べると、盛り土の大部分が崩れていることが分かります。
県によりますと、この部分は水が流れる道があった所に造成された可能性があるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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