走行する車のスピードは速すぎても遅すぎてもいけない。経営統合協議を開始したホンダと日産自動車はすぐにローギアからシフトチェンジする必要があるだろう。写真は記者会見の模様。12月23日、都内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[メルボルン 23日 BREAKINGVIEWS] – 走行する車のスピードは速すぎても遅すぎてもいけない。経営統合協議を開始したホンダ(7267.T), opens new tabと日産自動車(7201.T), opens new tabはすぐにローギアからシフトチェンジする必要があるだろう。トヨタ自動車(7203.T), opens new tabに次ぐ日本第2位と第3位の自動車メーカーは、2025年6月の最終合意を目指し、統合のあり方を協議する予定だ。
ホンダと日産は特に中国での販売減に苦しんでいる。日産の業績不振は特に深刻で、先月には大規模なリストラ策を発表した。
合意に至れば、2つのブランドを統合する持ち株会社が26年8月に設立され、東証プライム市場に上場された後、両社は上場廃止となる。日産が筆頭株主の三菱自動車(7211.T), opens new tabは来月末までに交渉に参加するかどうかを決める予定だ。企業の統合にスピード違反をしてはいけない理由がある。ステランティス(STLAM.MI), opens new tabの業績悪化は、今月退任したカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が比較的短期間の統合を急いだことに一因がある。
日産の業績悪化が底打ちしない中で経営統合を進めることをホンダの三部敏宏社長が警戒するのも無理はないが、それは慎重すぎる。
三部氏は23日、今回の統合検討は「日産の救済ではない」と指摘。ホンダ自らが30年時点で「競争力を持つために検討を始めるもので、日産のターンアラウンド(業績改善計画)の実行が絶対的な条件だ」と強調した。
いかなる合意も日産の業績好転にかかっている。23日の記者会見資料によれば、25年3月末までの1年間で1500億円と見込まれる日産の営業利益は26年半ばまでに約3倍に増やさなければならない。LSEGのデータでは、アナリストは現状、営業利益は50%増にとどまると予想している。
日産の内田誠社長は業界が直面している幾つかの大きな障害を回避しながら、この目標を達成しなければならない。第一に、欧米や日本の自動車メーカーは世界最大の自動車市場である中国で地元メーカーにますます差をつけられている。日産の中国販売台数は近年半減している。
第二に、トランプ次期米大統領は輸入自動車に関税を課すと表明しており、すでに低迷している業績がさらに悪化する恐れがある。
日産とホンダは統合による1兆円のシナジー効果を見込むが、当然ながら経営統合が全ての問題を解決するわけではない。危機感を持つべきだろう。
●背景となるニュース
*ホンダと日産自動車は23日、経営統合に向けた協議・検討を開始することで基本合意したと発表した。2026年8月に共同持ち株会社を設立し、両社が完全子会社となる。日産が筆頭株主の三菱自動車も持ち株会社への参画を検討する。 もっと見る
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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