健康のためにはどんなことに気をつけるべきか。肝臓外科医の尾形哲さんは「ジュースや炭酸飲料だけでなく、一見健康的に見える飲み物にも糖が大量に入っている。そうした甘い飲み物は肝臓を弱らせるので避けるべきだ」という――。(第2回)


※本稿は、尾形哲『甘い飲み物が肝臓を殺す』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。


ソーダファウンテンディスペンサー

写真=iStock.com/Osarieme Eweka

※写真はイメージです



飲むと不健康になる危険な「甘い飲み物」一覧

さて、毎日少しずつのダメージが肝臓を弱らせるということはお分かりいただけたと思いますが(前回記事)、「甘い飲み物」と言っても、具体的にどのような飲料がいけないのでしょうか。


図表1は、我々の身近にあるたくさんの甘い飲み物のうち、いったいどの飲料にどれくらいの糖が含まれているのかを一覧表としてまとめたものです。


【図表1】市販の「甘い飲み物」に含まれる砂糖の量



この表では、私たちスマート外来がそれぞれの飲料のエネルギー量を調べ、含まれている糖の量を換算しています。おそらく、みなさんがよく飲まれている飲料の名も見つかると思いますが、その中にもかなりの量の糖が含まれていることがお分かりいただけることでしょう。


なかには「えっ、まさか……この飲み物にもこんなに糖が入っているの?」「うそ……これ、健康にいいと思ってずっと飲んでたのに」と、にわかには信じられないという方もいらっしゃるかもしれません。


そんな方々のために、甘い飲料のカテゴリーごとに簡単な説明を加えていくことにしましょう。


もっとも避けるべき飲み物

〈甘い炭酸飲料〉

以前から「甘い炭酸飲料にはたくさんの糖分が含まれていて、飲み過ぎは健康によくない」とは言われていました。私たちが調べた結果でも、アメリカ生まれの超有名炭酸飲料500mlには、角砂糖約20個分の糖が含まれていることが判明しています。他の炭酸飲料も軒並み糖分量が多く、やはり炭酸系は、数ある甘い飲み物の中でももっとも避けたい飲料だと言っていいでしょう。


シュワシュワして爽快感のある甘い炭酸飲料は子どもや若者に人気ですが、常飲していると若いうちから脂肪肝や糖尿病を進ませることになりかねません。大人も子どもも年齢にかかわらず、危機意識を高く持って甘い炭酸飲料に接していく姿勢が必要です。


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