北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長(写真)は12日、NATOはロシアの脅威に十分な備えができていないと警告し、国防費を大幅に増額する必要があるとの考えを示した。4日撮影(2024年 ロイター/Johanna Geron)
[ブリュッセル 12日 ロイター] – 北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は12日、NATOはロシアの脅威に十分な備えができていないと警告し、国防費を大幅に増額する必要があるとの考えを示した。
ルッテ氏はブリュッセルで行った講演で「ロシアは長期的な対立に備えている」とし、「4─5年後に直面する可能性がある事態に対し準備ができていない」と指摘。「戦時体制の心構えに移行し、防衛生産と国防支出を大幅に増強させるときが来た」と述べた。
NATOは加盟32カ国のうち23カ国で、国防費の国内総生産(GDP)比率が今年、目標とする2%に達すると予想。ただルッテ氏はこれでは十分でないとし、「冷戦時代は国防費がGDPの3%を大幅に上回っていた。2%をはるかに超える支出が必要になる」と述べた。
このほか、サイバー攻撃や社会の不安定化を謀る動きなどについても警告。中国の軍事力増強にも警戒が必要との考えを示した。
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