アフガニスタンの首都カブールで11日、イスラム主義組織タリバン暫定政権のハッカニ難民相が官庁施設で自爆テロによって殺害された。タリバンが3年前に権力を掌握して以来、殺害された関係者としては最高位に当たる。
タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官はソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」への投稿で、「イスラムの敵による卑劣な攻撃」でハッカニ氏は殉教したと発表した。現地メディアのAmuTVによれば3人の護衛官も死亡した。
ハリルラフマン・ハッカニ氏
Photographer: Ebrahim Noroozi/AP Photo
ハリルラフマン・ハッカニ氏は武装組織ハッカニ・ネットワーク(ハッカニ派)の幹部で、同派の指導者であるシラジュディン・ハッカニ内相のおじに当たる。同派はアフガニスタンで米軍を繰り返し攻撃したことで知られ、米連邦捜査局(FBI)はハッカニ難民相の殺害に500万ドル(約8億円)の懸賞金を設定している。
現時点でこの爆破について犯行声明は出ていない。過激派組織「イスラム国(IS)」から分派し、タリバンと対立する勢力は2年前の中国人外交官を標的としたテロを含め、アフガニスタン各地で攻撃を実行している。
2021年の米軍撤退後、ハリルラフマン・ハッカニ氏はタリバン暫定政権の樹立と上級ポストの交渉において重要な役割を果たした。ハッカニ派とタリバンは米国を相手に共闘、また旧アフガニスタン政府の転覆で協力した。
原題:Suicide Blast in Kabul Kills Highest-Profile Taliban Target Yet(抜粋)
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