原油先物はまちまち、シリア政権崩壊や需要低迷懸念で

 12月9日、アジア時間序盤の原油先物価格はまちまち。中国の需要低迷懸念が、シリアのアサド政権崩壊を受けた中東情勢の緊迫化に相殺された。写真は、原油ターミナルのコズミノ。2022年8月、ロシアのナホトカ湾岸の港で撮影(2024年 ロイター/Tatiana Meel)

[東京/シンガポール 9日 ロイター] – 原油先物はアジア時間の取引で上昇した。シリアのアサド政権崩壊を受け中東情勢を巡る不確実性が高まったことが背景。ただ、来年の軟調な需要見通しを受けて上げは限定的となった。

0513GMT(日本時間午後2時13分)時点で北海ブレント先物は0.36ドル(0.51%)高の1バレル=71.48ドル。米WTI先物は0.38ドル(0.57%)高の67.58ドル。

シリアの反政府勢力は8日、首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放したと国営テレビで表明した。 もっと見る

エコノミストは、サウジアラビアの原油価格引き下げと、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による協調減産の延長決定は、中国の需要の弱さを浮き彫りにしており、年末に向けて市場が軟化する可能性があることを示していると指摘する。

サウジは来年1月のアジア向け公式価格(OSP)について、オマーン・ドバイ産地原油の平均価格に対する上乗せ幅を1バレル=0.80-0.90ドル引き下げた。 もっと見る OPECプラスは5日、協調減産を2026年末まで延長することを決めた。8カ国による自主減産は25年3月末まで維持とし、減産縮小は4月以降とする。需要の低迷と加盟国外からの生産急増が理由とした。 もっと見る

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Yuka Obayashi reports on Japan’s energy, metals and other commodities.

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